「週刊WABAS」第20号

 3月から4月にかけては、皆様の周りでも多くの「別れ」と「出会い」のドラマが繰りひろげられた事でしょう。道行く新社会人や、制服が大きいピカピカの一年生に、思わずエールを贈りたくなるのもこの季節。

 人生50年から100年へ、出会いや別れの主役になることも、端役のエキストラで出演することも増えていきます。ひと月にどの位の移動距離を駆け回っているのか、暇ができたらデータを取ってみたいと思う樋口恵子理事長の「出会い・感動」原稿が届きました。

 心ひそかに「ヨン様」が現れることを願って家に居ても、ダメですね。先ずは出かけなくっちゃ!!

東北の女性たちと高齢社会について語り合う

 この春は東北の方々との出会いに恵まれました。3月22日は、盛岡高齢社会をよくする女性の会(小川口照世代表)主催の市民向け講演会。「すべての人に居場所と出番」(本年の私の標語です)のタイトルに会場いっぱいの180人が参加、地元紙「岩手日報」にも大きく取り上げられました。若手の女性記者が取材に来ていて、少し前は全国紙はともかく地方紙には女性記者が稀だったことを思い、やはり少しずつ時代が動いているのを実感しました。小川口さんたちの活動はとても親しみやすく市民の各層にひろがっていて、夕方 わんこそば をご馳走になりながら、いつか盛岡で大会が開けるといいですね、と夢を語り合いました。

盛岡の講演風景
「岩手日報」記事より

 4月2日は、山形市。こちらは本会ではありませんが、本会と関わり深い長池博子先生(産婦人科・仙台でクリニック開業)のご紹介で、ゾンタクラブ(国際的な女性団体)設立準備ということでうかがいました、山形県だけでなく宮城県からも県境を超えて、華道の大先生とか企業経営者とか、何らかの仕事を持った方々が大勢集まりました。

 長池博子先生は80代、若月俊一賞などの受賞者。少し前に膝の疾患で片脚切断されました。しかし産婦人科の診療は「椅子に掛けてできる」と今もクリニックの最前線に立って女性たちを励ましておられます。この日は日曜だから休診日とは言え、ご夫君の介護の合間を縫って車椅子で駆け付け、主催者側のご挨拶をして、風邪気味の私をねぎらってから、急ぎお帰りになりました。立派な先輩に接し、私も見習って斯くの如く老いていきたいと願っています。

(樋口恵子)

「週刊WABAS」第19号

 いくら受賞がうれしかったからと言って、どんなにお祝い会が楽しかったからと言って そう何時までも載せていていいのですか? 自己反省しないではありませんでした。

 しかし、世の中そうそう思うようには行かないもので、樋口理事長に大胆不敵にも 立ち向かったウィルスが、思いのほかのツワモノで、このひと月互角の戦いを続けており、 戦況は極めて厳しいものでしたが、なんせ、「肺炎」を講演しながら治したという医者も 驚く実績を持つ人ですから、勝負も時間の問題でしょう。また、「週刊」に戻れるよう 努力いたしますので、どうぞ、変わらぬご贔屓(書けといわれても書けない字が一瞬に 出てくる、ありがたいこと) お引き立てのほどを。

3月25日  介護の社会化を検証する
「なにわシンポジュウム‘06」
よってたかって「介護保険をかんがえる!」

樋口理事長
樋口理事長

期末というのに大阪ドーンセンター会議室は定員100人をオーバーする満員。私、樋口恵子は基調報告というお役目で出かけました。改正介護保険――どう考えても財政が赤字にならないよう給付制限したい、ということなんでしょう。だったら率直にそう言って、ここのところは少し勘弁、とか言ってほしい。それをなんかおためごかしと、ある種の業界の圧力のかおりただよう中で、介護予防なんて言うから、いささかうさんくさくなるのです。これからの地域の方向性を示し、地方の実力が試されるいい提案も含まれていますけど。


会場風景
会場風景

 いつもながら「大阪の会」の実力には敬服。この日報告された独自の調査(大阪府ジャンプ活動助成)は、改正介護保険に関する取り組みを大阪府下全自治体に聞く自治体調査と市民、利用者調査の三本立て。地域包括支援センター設置などについて自治体の戸惑いがあらわれていました。市民側の意識調査と合わせて例は少ないながら、利用者10例の聞き取り調査は具体的であるだけに切実な声が伝わってきます。代表の小林敏子さん、調査担当の中尾敦子さん、事務局の森俊江さんはじめ大阪の皆さんのご発展をお祈りします。


樋口理事長と報告者
樋口理事長と報告者

介護保険利用者またはそのご家族へ
調査ご協力のお願い

 利用者側からヘルパーや施設の介護職員に望むことについて、本会として調査に取り組みます。「大阪」の利用者ヒヤリングは大いに参考になります。会員内外の皆様どうぞご参加ご協力下さいますよう。

NHK福祉ネットワークに出演します。テーマは介護予防です。

「週刊WABAS」第18号

 今回は、去る2月9日の「朝日社会福祉賞」受賞当日開催した「ともに喜びあう会」(本会主催) のもようが、本会副理事長の沖藤典子さんから届きました。

 「関係ないわ」などとおっしゃらず、これも浮世の義理、何かのご縁! ともに喜んでくださいませ。

 結局一番喜んでいたのは誰でしょう?

朝日社会福祉賞の受賞を「ともに喜びあう会」(本会主催)

司会の私(沖藤)と松村さん
司会の私(沖藤)と松村さん

 2月9日、朝日社会福祉賞授賞当日、会場を日比谷の資生堂パーラー宝塚店に移して、会員中心の大パーテイ「ともに喜びあう会」が行われました。

 定員80名という会場に、北は北海道から南は九州までなんと110名。「お料理が足りなかったらどうしよう」という事務局の心配は、まったく正しい心配でありまして、当会の例にもれずきれいさっぱりでございました。この偉大なる食欲もまた、今回の受賞に大きく貢献したのではないでしょうか。

 ブロンズ像を持って代表が入ってくると、「おうっ」とばかりの歓声と拍手。最初からハイテンションに盛り上がって、設立以来の思いのあれこれが爆発しました。

秋山ちえ子先生の祝辞
秋山ちえ子先生の祝辞

 朝日新聞でのスピーチに引き続いて、秋山ちえ子先生による再びのお祝いと乾杯の音頭。戦後の女性の活動における当会の意義について、温かいお言葉を頂戴しました。厚生労働省の前老健局長の中村秀一さん、総務課課長の山崎史郎さん、前振興課長の香取照幸さんなどからもお祝いのスピーチをいただき、当会のロビー活動がいかに政策への提言力を持っていたか、日本の介護問題の解決に尽力してきたか、再確認した思いです。

 さてさて、飲んで、食べて、喋って、笑って、お互いの元気とパワーを確認している中に登場してきたのが、奉祝の踊りです。その名も「ネンキンシスターズ」、平均年齢72歳、真っ赤なドレスのフラダンス。座頭の加納美佐子さんは、設立以来の賛助会員です。やんやの拍手、飛び入りも現れるほどの熱狂でした。

 全国大会の各地の実行委員長によるあれこれの思い出スピーチ、会の設立などにご尽力いただきながら物故なさった先生や理事達のお名前披露、さらにたくさんの会員からのエールスピーチをいただいて、最後は“高齢社会をよくする女性の会・京都”代表の中西豊子さんによる右手を高く上げての「頑張ろう!」唱和。

 かくなる熱気のうちに、寒波厳しき夜も皆様汗だくで過ぎていきました。「活動してきてよかった」「これをきっかけにまた頑張ろう」「明るく元気に生きていこう」、さまざまな言葉が交錯しつつ別れを惜しんだのでございます。

 当夜の司会は、不肖沖藤と理事の松村満美子さん、「私達ってなんて司会がうまいのかしら」。お互い自画自賛しあって、固く抱き合ったのでありました。

踊る「ネンキンシスターズ」
踊る「ネンキンシスターズ」
「老け込まず」セミナーを終えて

 「中高年女性の健康は、この世の宝」〜転ばず・老け込まず・落ち込まず〜の「老け込まず」セミナーは2月23日、女性と仕事の未来館ホール(250席)を、満席にして大盛況でした。「美しく老いる」は、いま引っ張りだこの人気で、リハビリメイクの第一人者かづきれいこさん。欲張りなテーマ「おいしく食べて美しく老いる」の講師は、岩間範子さん(栄養学博士)でした。このお話は後日お届けいたします。

「週刊WABAS」第17号

 大雪の被害に苦しんでおられる地域の皆さまのことを思うと、東京からは「寒い」などとは申せません。早く暖かい春が皆さまのところに届きますように・・・・・。

 お正月を迎えたと思ったら、節分、立春と過ぎ、如月も半ば、お菓子メーカーにとっては嬉しい「日本で一番チョコレートが売れる日!」です。

 本会にとって嬉しい日は2月9日でした。何が嬉しかったのかは樋口恵子理事長の原稿をご覧ください。

 次回には沖藤典子副理事長の「超豪華、超パワフル」な祝賀会の様子など届くと思います。おたのしみに。

立ち見が出る贈呈式! 行列ができるレセプション受付!

 朝日社会福祉賞始まって以来の賑やかにしてパワフルな集いとなりました。二次会の本会会員オンリーの「ともに喜びあう会」は大会並みの全国から会員大集合! これまでの活動を振り返り、喜びを共にし、明日へのエネルギーを増幅させたすばらしい一夜でした。

 贈呈式には全国から集まった会員が見守る中、私が賞状と副賞(200万円の目録)、袖井孝子副理事長が重さ4キロを超える副賞のブロンズ像を頂きました。少女が鳩を掲げる美しい像です。個人受賞者は視覚障害を持つ岩田三津子さん。目の見えるお子さんにいっしょに絵本を読みたいと点字絵本を創案して広げたすばらしい方です。

 祝賀パーティで堀田力さん(さわやか福祉財団理事長)は「聞けば聞くほど涙あふれる岩田さんと、聞けば聞くほど恐ろしくなるーーー、いや力強くなる高齢社会をよくする女性の会」とユーモアをまじえたご挨拶。秋山ちえ子さん(評論家)は、「私の放送人生と重なるこの50年間で日本の女性は本当に大きく変わった。初期のころは外へ出るのも困難だったし、意見も聞いてもらえなかった。日本の女性が変わったあらわれがこの高齢社会をよくする女性の会です」と創立以来の理事として感慨ひとしおのお話。朝日新聞社幹部のお話「今回の受賞者は女性ばかり。女の人の力ってすごいし、いいなあ(もう少し固いことばでおっしゃいましたけれど)」。

 私が贈呈式で「全国の会員、グループ会員の名において」行った答辞は、次号か会報に。

「週刊WABAS」第16号

 年頭には「平和で災害のない穏やかな年でありますように」と願い、祈ったはずですのに、次々と事件や自然災害が続いています。

 「ボケーッとしてないで気を引き締めて生きよ!」という親の声が聞こえてきそうなわが心中を知ってか知らずか、東京地方に本格的な積雪の翌日、本会と「こころと体の元気プラザ」共催の「中高年女性の健康はこの世の宝」セミナー第一回が開かれました。「転ばず」セミナーに行くのに「転んだ」のではお話にならない。樋口恵子さんはじめ一同がどんなに気を引き締めて歩いたかご想像の上、今回の原稿をご覧くださいませ。

 第一回「転ばず」は雪の朝(あした)に何というふさわしいテーマでしょう! そのせいか参加者の欠席を危惧したにもかかわらず100人以上の大盛況でした。

 骨粗鬆症、転倒がどんなに女性の老いの大敵であるか、そして最新の治療法などについてスライドで丁寧にわかりやすくお話くださった折茂肇先生。過激なダイエットは禁物、やせ過ぎてはいけない、のおことばに嬉しくなって「私ぐらいでは如何でしょう?」と思わず質問してしまいました。「まあ、バランスが取れているんじゃありませんか」とはありがたくも少し苦しいお答えかも。

 内気功の鈴木秀天先生は、大きな呼吸、転ばぬ歩き方、膝の強化法など実演と講義でお示しいただきました。両先生とも質問の時間だけでは間に合わず終了後も質問が続出。中身の濃いお話でした。くわしい内容については、会報をお楽しみに。

 私たちにとって、初の他団体とのジョイント企画でしたが「こころと体の元気プラザ」と本会の人脈、人材、企画力が2倍ではなく2乗になった感のある熱気あふれる集いでした。「こころと体の元気プラザ」の下村満子理事長はじめご担当の皆様に心から感謝申し上げます。

 次回2月23日「老け込まず」の会場は、おなじみ「女性と仕事の未来館ホール」です。午後の開催ですが天候に恵まれますよう祈るような気持ちです。かづきれいこさんのメイク実演のモデルは2,3人とのことですが、一人は不肖私、樋口恵子が相つとめることになりました。これ以上どんなにキレイになるか、かづきさんの腕に大きな期待が寄せられます。

「週刊WABAS」第15号

 明けましておめでとうございます。
 ますますのご発展・ご活躍をお祈り申し上げます。本年もどうぞよろしく。

2006年 新春

 「週刊WABAS」をたのしみにしています、という声が届く度に励まされ、アラ週刊?月刊?の声にはボケたふりして越年いたしました。ほめていただけると“うれしい”ですね。子どもをほめて育てよ、と言いますが、年を取ると“ホメ”によわくなる!ことも確かです。高齢者がいとも簡単にだまされるのは、どうして?なぜ?と思えるうちは若い!のかも知れません。やさしさや思いやりの言葉が嘘か真実か見極められる心の眼を持って、「週刊WABAS」を今年もお届けいたします。ご覧いただく皆様があってこそのホームページですので、皆様のお幸せ、ご健勝を心から願い、お祈り申し上げます。

 お約束の原稿が届きました。元気に新年を迎えた樋口恵子の初便りです。

 新年おめでとうございます。遅ればせながら2006年初のお便りです。

 今回は2大テーマでお届けします。まずは、年末恒例討ち入りシンポですっかり定番となった「寸劇シンポジウム」。その劇団WABAS(高齢社会をよくする女性の会)創設以来、ずっと舞台監督を引き受けて下さっている望月幸代さん(ミズ総合企画代表)にお話をうかがいました。

 そして、すでに新聞(朝日新聞1月4日付朝刊)でご存じの方が多いかと思いますが、今年の新年は本会にとって二重のめでたさとなりました。05年度「朝日社会福祉賞」の受賞団体に本会が決定したのです。

 思えば1982年の第一回シンポジウム、1983年の設立から4半世紀近く、全国の皆様のご参画によって、高齢社会の現在と未来の実像を世に示し、現場からの政策提言を続けてきました。そうした皆様の活動がこうした評価を得たこと、まことに嬉しく、会員の皆様と喜びを共にし、新たな気持ちでこれからの活動をすすめたいと存じます。

 贈呈式は朝日新聞社内で2月9日(木)、グループ会員にはすでにお報せしていますが、この日の夜にでも集会を開くかどうか今検討中です。決まり次第お報せします。

 早々と続々と祝電やメッセージが届いていますので、そのうちの1つをご紹介し、喜びと元気をお伝えしたいと思います。

━新春インタビュー:望月幸代さんに聞く━

名物の討ち入り太鼓
名物の討ち入り太鼓

樋口: 劇団WABAS(高齢社会をよくする女性の会)創設以来、ずっと舞台監督を引き受けて下さっている望月幸代さん(ミズ総合企画代表)にお話をうかがいます。

 本会のイベントと言えば、大会あるいは討ち入りシンポで「寸劇シンポジウム」「寸劇トーク」が今や定番になりました。私は座付作者、望月さんが舞台監督というのも定番になっていますが、長年の監督体験で印象に残った舞台は?


ユーレイ役の吉武さん
ユーレイ役の吉武さん

望月: 1991年の全国大会は虎ノ門の国立教育会館で行われ、そのときがはじめての寸劇、2人の介護嫁幽霊が登場しました。踊る介護嫁ユーレイが渥美雅子さん、歌う介護嫁ユーレイが梶谷典子さん、ピアノの弾き語りや踊りと名優幽霊初お目見えに観客がわいたのが今も印象に残っています。

 まだ介護保険も何もないころから、家族介護の過酷さを世に訴えるために介護嫁ユーレイはユーレイ全国会議を開いたりし、何度も登場しました。その後の 年金問題で「残念無年金ユーレイ」として初演した吉武輝子さんも、名ユーレイの常連になり、ユーレイは当会寸劇の名物になりましたね。

樋口: 女性の人生にはまだ理不尽なことが多いので幽霊になりやすいですね。まだまだ幽霊の種が尽きない男女の格差があります。これからも時代に即して変化に富んだユーレイ、振込め詐欺ユーレイ、リフォームユーレイなど、いろいろ書きたいです。

 ところで舞台監督上のご苦労は?

望月: 最初のころ私は最年少なくらい若くて役者さんがみんな年上、かつ著名な方が多く、舞台上の熱演で火花が散る感じでした。なかなか私の進行上の注文にも応じてもらえない部分もありました。も1つ、座付作者の台本の出来上がりが遅かったこと、舞台当日、ほやほやの台本片手に演じてもらったことなど ありましたから。

樋口: すみません。長年「脚本の仕上がりの遅さだけは井上ひさし並み」と言われてきました。でも2003年、定年退職以来時間的ゆとりが多少できて、 この2年ほど数日前に仕上がるようになってきました。望月さんも本会「重鎮」になってきたし。

左が望月さん
左が望月さん

望月: 台本の仕上がりの早いときは練習もでき、みなさん協力的で助かっています。寸劇の効果といえば、先日の討ち入りシンポ「シングルまんだら」には、中学(長野県飯田市)のクラス会があって10人ほどがシンポに参加しました。男性の同級生たちは「これまでいろいろなスタイルの集会に参加したが、寸劇で楽しめて説得的な方法は初めてだ」、死んだら帳をみて「家族のためにも遺言などの準備をしっかりする必要を痛感した」などと、口々に言ってくれました。

樋口: そうおっしゃっていただけると嬉しいです。舞台監督として今後の抱負は?

望月: 当日、みんなが脚本を持たずに演じられることが第1の目標かしら。次に早く次の舞台監督が出てくれて、引き継ぎができればと思います。

樋口: 役者志願者も出ています。06年も名「ブタカン」としてご活躍を。

望月: 身体の元気が続くかぎりはがんばります。

━05年度「朝日社会福祉賞」の受賞によせて:祝電━

高齢社会をよくする女性の会 理事長 樋口恵子様

 この度は「朝日社会福祉賞」の受賞おめでとうございます。

 昨日の新聞発表で知りとても嬉しく存じました。

 樋口様を中心に会の皆さま、各地の介護当事者の皆さまが一体となって、長年、運動を続けてこられた賜と存じます。

 介護をする人、される人の立場、声を大切に、現場に足を置き、“草の根”の介護事情を発信しつづけ、国や地方の政策に提言されてきたそのエネルギーは素晴らしく、高齢社会に生きる私たちは大きく励まされます。

 樋口様はじめ会の皆さま方、ますますお元気でご活躍くださいますよう。感謝と期待をこめて。

川崎市麻生区 多田とよ子(元ゼンセン同盟女性部長)

「週刊WABAS」第14号

師走の浅草寺
師走の浅草寺
撮影:柳原智子さん

 四季の中でお好きな季節は? と聞かれたら、なんとお答えになりますか。冬と答える人は少ないでしょうが、しんしんと雪降り積もる山里の囲炉裏こそふるさと、という友がいます。冬の凍える厳しさが好き、凍てつく冬空の下でこそ生きてる息遣いが分かると言います。聞いてるだけで寒い寒い! 身も心も中庸を好むから、季節だって、冬は常夏に憧れ、夏はインディアンサマーに思いを馳せている。だからたるんでいるのだと、たとえ苦言を浴びても、 「春よこい」を口ずさんでいます。


 当会冬の陣は、師走の討ち入りシンポから始まります。「歳末・東京名物」の看板を掲げて何年になりましょうか。こんなに続くのであれば、討ち入り太鼓を購入すべきだったと会計さん。小道具のリース屋さんとは、年一度のことですが、すっかり顔馴染みになっています。

 お待たせいたしました「女たちの討ち入りシンポ」の第1報が届きました。

未来館にあふれる400人余り
「ひとり」をテーマに「大勢」が集まりました!

 巷に響くは「ジングル・ベル」、本会が打ち鳴らすは「シングル・ベル」のご挨拶から始まった今年の討ち入りシンポ。「朝日新聞」に2段記事で紹介されたこともあり、ホール(定員250人)に入りきれず、講座室2つでモニター視聴、つまり「女性と仕事の未来館」4Fは本会貸切で進行されました。ご不自由ををかけた方々に改めてお詫び申し上げます。

 高齢社会を迎える女性にとって、大なり小なり「ひとり」はキーワードとあって、トーク、講演、寸劇、フィナーレの討ち入り、すべて時代への提言性に満ちていました。その内容はどうぞ「会報」をお楽しみに。

 このホームページでは、トークと基調講演から、私にとって特に印象に残った内容をお届けします。

 松原惇子さん(ノンフィクション作家)さすが若い世代(団塊です)らしい思い切りのよさ。ひとりぐらしのよさは「倒れたとき発見されないこと」と言われたのにショック。私たちはひとりぐらしで「倒れたら大変」と思い、孤独死はほとんど「悪」だと思い込んでいましたから。

 あらためて見直せば、ひとりで倒れてそのまま死に到れば、チューブにつながれた不自然で不本意な長い「生」のリスクはないわけです。いくつか注釈を付ける必要はあるかも知れませんが、物事を別な角度でみる「目から鱗」の感じでした。

 吉沢久子さん(評論家)は、いつもながら清々しさを漂わせたひとりぐらし。「夫がいる前から自分の仕事、自分の生活を持っていたから、それほどの衝撃ではなかった」。人によって、思いに違いはあるでしょうが、ふたりの時、大勢の家族と共にいる時にきちんと「ひとりの自分」を持っていることが、どんなライフスタイル--たとえば友達との共住や老人ホーム--でも基本だということを確認しました。

 阿藤 誠さん(人口学者・早稲田大学特任教授)は、ひとりの人口学--非婚の人口学--ひとり世帯の人口学と論をすすめたのち、まとめの「おひとり様人間学」で、「ヨーロッパにかつて生涯独身の多い時代があり、カントをはじめ多くの哲学者・思想家を輩出した」。日本の少子高齢化「大シングル社会」(阿藤さんのネーミング)も、現状への対策に血眼になるだけでなく、このような今を生きる人々、これから生まれてくる人々が幸福に生きられる社会にすることが大切だと、改めて思いました。

 寸劇「シングル・まんだら」のこぼれ話は次の号で、舞台監督の望月幸代さんと共に。

お知らせです。
福祉ネットワーク放映風景
番組より

 NHK教育テレビで、この秋放送した「福祉ネットワーク、検証介護保険改正」の中で、有料老人ホーム、特養、グループホーム、小規模多機能施設などと、認知症について、を取り上げた番組が好評だそうで再放送になります。1回目は19日、20日に済んでしまいましたが、再放送の2回目は以下のとおりですので、お時間の都合のつく方はぜひご覧ください。秋山ちえ子さんが19・20日の放送をご覧になってほめてくださいました。

12月26日(月) 午後2時20分〜
有料老人ホームなど
12月27日(火) 午後2時20分〜
認知症になったとき
新年早々のお正月企画
(NHKラジオ第1放送、ラジオあさいちばん)で、
2006年 の第1声(?)を発信します。

 1月4日(水)朝7時20分ごろから10分ちょっと。早起きに自信のある方、どうぞ聞いてください。

 では、皆様お揃いでよいお年をお迎えくださいませ。

樋口恵子
「介護ふれあい大賞」大募集についてご案内

 このたび「介護ふれあい大賞」(産経新聞社他主催)が設けられ、私たち「高齢社会をよくす女性の会」も高齢社会NGO連携協議会などとともに協力することになりました。

 審査委員長は作家の立松和平さん、樋口恵子が副委員長をつとめます。

 女性をはじめとする介護現場にいるご家族、専門家そして要介護者を含めた高齢者自身の声が、これを機会により広くより深く社会全体に届けられるよう願っています。

 人生100年時代の人間の営みに必須の介護について、ことばに出してかたることから理解がすすみます。

 1等賞は100万円相当とか!

 会員内外の皆さま、振るってご応募下さい。

「週刊WABAS」第13号

 日本列島、北と南では季節の感覚も大分違いますが、東京は都の木「イチョウ」 が色づくと木枯らし到来、冬への道をひた走ることになります。歳の瀬間近で、何かと心せく日々になりますが、あわててもよいことなし。本会の歳末名物「女たちの討ち入りシンポ」でもゆっくりご覧頂いて、それから越年準備にかかって頂きたいと思っております。

北京JAC会場
北京JAC会場

 今年の呼び物は、「おひとり様トーク」と、寸劇シンポ「シングルまんだら」。 最後はひとりで生きる覚悟と備えがあれば、なんの恐れることはなし。「三途の川」で溺れないよう浮き輪を確保して、「女性と仕事の未来館ホール」にお越しください。(12/1 0(土)13:30〜16:30)

 チケットは、だだいま事務局で好評発売中!。ぜひお求め下さい。

 今回は、副理事長袖井孝子さんから、北京JACの分科会報告が届きました。次号の会報に掲載予定ですが、いち早くのニュースとしてWABASファンの皆様に。北京JAC(Japan Accountability Caucus)は、1995年、北京で開かれた第4 回世界女性会議に参加した人たちを中心に国内でもロビー活動を続けようと組織化されました。それから10年です。北京にいかれた皆様は、この10年、いかがでしたか。


北京JAC 第10回全国シンポジウム
第18分科会「女性問題としての高齢者虐待
〜なぜおばあさんはいじめられるのか〜」

当会副理事長袖井孝子さん
当会副理事長袖井孝子さん

 11月13日(日)に国立女性教育会館において北京女性会議から10年目を記念してシンポジウムが開催されました。

 ここでは、高齢社会をよくする女性の会が担当した分科会の報告をいたします。参加者は30人と少なめでしたが、熱のこもった議論が展開されました。


問題提起者:
中村雪江(城西国際大学客員教授)、
高東幸子・山田理加(NPO法人ネットワーク虹)、阿武桂(主婦)
司会:
樋口恵子・袖井孝子(高齢社会をよくする女性の会)

 まず中村氏からは、被害者は圧倒的に超高齢の女性が多いこと、虐待者には息子が多いが、息子自身、失業、アル中、心の病などの問題を抱えていること、虐待以前の親子関係に問題のあることなど、いくつかの調査結果および中村氏がMSWとして係わった事例に基づいて、高齢者虐待の実態が明らかにされた。

 その結果、(1) 被害者に女性が多いのは、これまで女性が置かれてきた家庭内外の地位や力関係に由来することから、女性の人権を守る視点からの適切かつ長期的な対策が求められること、(2) 虐待されても諦めている人が多いが、自己主張するような意識改革が必要であること、(3) 女性の場合、働いた経験がない、あるいは働いたとしても低賃金のため十分な貯金も財産もないため、虐待者に依存せざるを得ない。何よりも女性の経済的自立が必要であること、(4) 母親自身、子どもを過保護に育てた結果、自立できない子ども(多くは息子)が、親の年金まで当てにするようになること、などの問題点と対策が指摘された。

 高東・山田両氏からは、女性のための「全国共通DVホットライン」から、入院中の妻を見舞うついでに妻の病院食を食べてしまったあげく、自分の洗濯物まで押しつける男性の例を始めとして、衝撃的な実例が紹介された。電話相談のうち高齢女性は約1割で、ホットラインの存在を知らない女性が多く、周知させることの難しさが指摘された。阿武氏からは、身近な高齢者夫婦のDV事例から、定年で在宅時間の延びた男性が妻の行動を管理し、身体的心理的暴力を加える背景には、女性の経済的依存性があることが指摘され、高齢者夫婦におけるDVは高齢者虐待にほかならないことが明示された。

理事長樋口さん
理事長樋口さん

 樋口氏からは、昨年5月に高齢社会をよくする女性の会が坂口厚生労働大臣に提出した「高齢者虐待ゼロ社会をめざす提言」が紹介され、(1) 高齢者への虐待は犯罪であること、(2) 被害者への迅速な保護と救済、そして加害者への対応、(3) 高齢期の特性に応じた保護救済施策・施設、(4) 在宅が施設か、自立か要介護かの違いに着目したきめ細かな対応、(5) 女性高齢者への適切かつ長期的な対策、が提起された。さらに、本年11月1日に成立し、来年の4月1日から施行される高齢者虐待防止法の概要の説明があり、この法律が、老人福祉法や介護保険法の範囲内に留まるため、介護保険適用外の医療施設における虐待が見過ごされる危険性があることが指摘された。

会場にマイクを渡す袖井孝子さん
会場にマイクを渡す袖井孝子さん

 会場からは、高齢者虐待防止法の対象が65歳以上に限定されているため、それよりも若いが、経済的な自立が難しい中年女性に対する虐待が見過ごされる恐れがあることが指摘され、年齢で輪切りにするのではなく、家族暴力を一括して扱う法律が必要であること、被虐待者の福祉施設への措置入所が想定されているが、待機者の多い施設で受け入れが可能か、地域包括支援センターが虐待の相談窓口に予定されているが、適切な対応ができる人材が果たしているのか等虐待防止法への不安が示された。こうした不安を払拭し、よりよい虐待防止法に向けて、高齢社会をよくする女性の会では新たな提言書を作成することを約束して閉会した。

(袖井記)

「週刊WABAS」第12号

黄葉の風景
黄葉の風景

 あなたは占いの類を信じるほうですか。俗に言うくじ運は強いほうですか。思えば世の中、運・不運が背中合わせというのはよくあること。そして一連の出来事は、最後まで見届けないと幸か不幸か分からないというご経験なども、たくさんお持ちのことでしょう。

 さて、災害シンポの当日、思いもよらぬ災難にあったという出演者たちの報告です。「どうしたら災害から身を守り、乗り越えられるか」と、防災のあの手この手を論じ、打ち合せに余念のない講師陣に災害が!「いつどこに災難が待ち構えているか分からない」ことを地で行くお話です。サテ、今日は気をつけてゆっくり帰ろーうッと。

続報 「災害は忘れる前にやってくる!」 樋口恵子

 前号でお知らせした10月14日「災害と高齢女性シンポ」当日、東京ウィメンズプラザ至近のレストランで、小山剛さんはじめ新潟、兵庫から駆け付けてくださったパネリスト、司会の私と沖藤・袖井両副理事長が、ランチを摂りながらの打ち合せ。注文を取りにきたときから、何だか会話が通じず心許ないウエイトレス(アルバイトでしょう)さんだったのですが、スパゲティを後から運びながらガチャーン。口に入れる前にスパゲッティの雨を浴びたのは背中から沖藤さん。後の人は無事かと思いきや、私が「珍しくいいもの持ってる」と誉められる大きめのトートバッグの中までトマト色。マネジャーが来て、汚れ物を預け、クリーニングして戻す、ということで、穏やかな私たちのことですから、それ以上文句を言わず、しゅくしゅくと打ち合せを進めたのでした。

 災害シンポの当日に、ときならぬスパゲティが降ってきた。災害はレストランでもやってくるのです。まあ火傷しないでよかった。沖藤典子さん、ひとことご感想をどうぞ。

沖藤典子

 「スパゲテイの雨に打たれて、このまま死んでしまいたい・・・・」

 と思ったわけではありませんが、しかしスパゲテイというのは上から降ってくるものなのでしょうか。しかも、防災の心得を学ぶというそのシンポジュウムの打ち合わせの席上にあって、かくなる災難に遭遇するとは!!

 本当に、何が起こるか分からない時代です。スパゲテイどころか、カツ丼が降ってきたり、焼肉定食が降ってきたり、あげくには車が降ってくる、橋が降ってくる、船までも降ってくるかもしれません。

 辞書によると「杞憂」とは「中国の杞の国の人が、天地が崩れて落ちるのを憂えたという故事」で、「取り越し苦労」を意味するそうですが、昨今の天変地異を思えば、「杞憂」は現代社会の共通認識として持つべきもののように思います。いつ、何があるか分からない。「備えあっても」「憂いあり」の時代なのですね。

 さてその夜、上着をクリーニングに出してもらったものの、換えの服のない私。当日シンポジストの山林知左子さんのカーデイガンをお借りして、備えなき夜の寒さをしのいだのでございました。

 いかがでしたか。今日はここまで。次号をお楽しみに。

「週刊WABAS」第11号

 「亭主丈夫で留守がいい」と公言を憚らない奥様族、逆に妻が出っぱなしの場合、夫はなんというでしょう。「中味によるさ」とおっしゃるか、髪結いの亭主版「奥さん丈夫で稼ぐがいい」とおっしゃるか・・・秋の夜長はこんなことを考えだしたら眠れない。旅から旅の樋口恵子さんから原稿が届き、フッと思ったことです。

 さあ、今週はどんなお話か、ゆっくり、じっくりお読みください。

岐阜・大垣の会、10周年記念イベントで感激

「地域福祉推進フォーラム2005」開催風景
「地域福祉推進フォーラム2005」開催風景

 「高齢社会をよくする女性の会・岐阜」10周年事業として、地元大垣市の様々な団体と共催で開かれた「地域福祉推進フォーラム2005」。大きなホール(450席)が満員で立ち見が出る盛況でした。その詳しい内容は、代表の久世須磨子さんから本会会報に書いていただくことして、私は若干の感想とこぼれ話を。

 十周年の歩みを、スライドで10分程に要領よくまとめてあって、初めて参加した金沢大会(1995)から、東海3県大会(1998)の主催県のひとつになったり、海外視察に出掛けたり。なつかしい写真がたくさん出てきて、この歳月をこうして各地の方々と共に、活動してきたことを思い、私は一瞬、胸がつまりました。

樋口理事長
樋口理事長

 「岐阜」の会の成功のカギは、久世さんを中心とする女性メンバーに、隣接の池田町で全国的にも先導的な介護福祉を実践する石原美智子さん(特別養護老人ホーム・サンヴィレッジはじめグループホーム、専門学校などの経営者)が、最高顧問として加わっていることでしょう。これまでにNPOをつくり、第三者評価、介護相談員など市民として公的に介護保険を支える多くのメンバーを送り出しています。石原さんは当初からの会員で、黒田輝政理事の呼び掛けで、アメリカのホスピス見学に出掛けたとき以来のお仲間です。


出演者のみなさん
出演者のみなさん

 私の講演とスライドのあと行なわれた「シンポジウム」では、「岐阜の惣万さん」と呼ばれる主婦が始めた宅老所「花時計」の岸智津子さんが、めちゃくちゃおもしろかった。岐阜弁のべらんめえ調話術だけでも大したタレントですが、情に立ちながら情に流されず、一度訪ねてみたくなる実践内容でした。


仕入れた新語、早速拝借することに

 中津川市社協事務局次長の千葉忠道さん。どこへ行くにも、納豆のパック(中味はカラ)を講演の小道具に持ち歩く人。「豆腐より納豆がいい。一粒一粒の顔が見えて無数の糸が出るなっとうワークを」。ウーン、なるほど。早速この「なっと(う)ワーク」の語を、本会の討ち入りシンポのキャッチコピー「ひとりから広がるなっとうワーク」に使わせていただくことにしました。(ご本人にはご了解済み)

 コーディネーターは「岐阜の会」会員、男性市会議員、岡田まさあきさん。広島大会「地方議員大集合」でも、的確なご発言をいただきました。

厚生労働省の山崎史郎さん
厚生労働省の山崎史郎さん

 注目の的はミスター厚生労働省・山崎史郎さんの「介護保険最新事情の報告」。担当官庁ならではの詳細なデータで説明していただきました。

 夕方からの懇親会には、小川敏・大垣市長、多治見市長、多くの男性も参加。その中で山崎史郎さんの挨拶に、「私の名は山崎しろうですが、山崎しりょう(資料)とも言われます」。当日も分厚い資料と共に登場したばかりなので、場内しばらく爆笑の渦でした。

 今週の樋口恵子はここでお別れです。