2010年3月

介護保険制度の実態と問題点に関する調査 〈概要〉
― 介護保険制度改定に向けて ―

NPO法人 高齢社会をよくする女性の会
I 調査概要
  1. 調査の目的
  2. 調査対象・調査事項等
  3. 調査結果のポイント
II 調査結果の概要
  1. 要介護認定について
  2. 支給限度額について
  3. 訪問介護の生活援助について
  4. 介護保険制度の問題点について

I 調査概要

1 調査の目的

 全国における介護保険の利用状況と関係者の意見を徴し、次回介護保険制度改定に向けての議論に資することを目的とする。

2 調査対象・調査事項等

  1. 調査対象・対象数
    利用者本人、家族、介護職員、ケアマネジャー、事業者、
    医師、市議会議員、民生委員、病院等相談員、元教員など 349名
  2. 調査地域:全国
  3. 調査時期:2009年11月
  4. 調査方法:郵送調査
  5. 調査事項:
    1. 要介護認定はやめて、専門家がチェックする仕組みがよいか。
    2. 支給限度額を上げたほうがよいか。
    3. 訪問介護の生活援助は、介護保険の給付から外してもよいか。
    4. 高齢者の「終の住みか」は、住み慣れた家か施設か。
    5. 介護職員の待遇改善、介護費用の増大と国民負担、地方分権と標準的介護サービス、地域包括支援センターのあり方など。

3 調査結果のポイント

  • 要介護認定について

    要介護認定はやめて、サービス担当者会議などにおいてケアマネジャーら専門家がチェックすればよいといった意見があります。
    要介護認定についてあなたはどのように思われますか。

    1. 要介護認定は必要
      「要介護認定は必要」とする理由に、家族も事業者も公平さを挙げている。
      家  族:
      「介護専門職だけでは公平、平等性が心配」
      事業者:
      「担当者会議が決めた場合、不公平になりかねない」
      医  師:
      「要介護認定は必要。ただし基準の見直しが必要。医師の診断−意見書を重視してほしい」
    2. 不要とは言わないが、問題あり
      家  族:
      「トイレに行けるが重症の肺気腫があり外出できない。入退院を繰り返しているが要支援1。誰のための認定調査かと怒りを覚える」
      ケアマネジャー:
      「権限と責任をもってサービスを決定できるケアマネは育成できていない。現在の認定基準の曖昧さには不満」
      施設長:
      「かつて認定委員を引き受けた経験では、ルールにとらわれて審議を尽さず、結論を出さねばノルマが達成できなかった。 審査会の費用が有効に使われていないことと責任の拡散行為と思った」
      事業者:
      「要介護認定は大変な金と時間を要しているにもかかわらず、審査員は情報を十分把握していない」
      民生委員:
      「認定にかかる時間や経費を考えると、他によい方法はないか」
    3. 担当者会議などでチェックを
      • 担当者会議のチェックのほうがよい、という家族の理由やその条件は、
        「要介護認定のとき主観が多々入るように思う」
        「正直、善意、客観的に判断できる人ばかりで構成されるなら担当者会議のチェックに大賛成」
      • サービス担当者会議などにおいて専門家がチェックすればよいという意見は、家族より事業者や介護職員に多くみられた。理由の1つは、要介護認定にかかる費用の大きさである。
      • 「7段階の介護認定を簡略化、若しくは廃止」「介護度は3段階にわけ、サービス内容は当事者に任せる」といった意見は、事業者に多くみられた。
  • 支給限度額について

    居宅サービスを利用するには「支給限度額」が定められ、限度額を超えるとサービス利用は全額自己負担となります。
    あなたは、支給限度額を上げたほうがよいと思われますか。

    1. 支給限度額は上げたほうがよい
      • 101歳の母親を在宅で介護している70歳代の女性:
        「支給限度額内では十分な介護ができない。家族の負担が増すばかり」
        介護職員:
        「要介護5の方は1日3回の食事や排泄の介助を依頼するだけで限度額を超えてしまう。必要がある場合は、上げてほしい」
        市議会議員:
        「もう少し利用すればよくなる場合でも限度額を超えると全額自己負担のため利用を諦めて状況が悪くなることが多い。支給限度額を上げる必要がある」
      • さまざまな立場の方が、「支給限度額内では一人暮らしは無理」と記している。支給限度額が家族の介護を前提に設定されているからである。
        医  師:
        「介護保険は家族仕様からお一人さま仕様に」
      • 限度額の引き上げと併せて低所得者対策を求める声も多数寄せられた。
    2. 支給限度額は上げないほうがよい
      上げないほうがよい、という方の大半は、財源と負担を考えている。
      「医療費同様青天井では、きりがない。低負担高福祉はありえない」
      「限度額を上げれば財源がパンクする」
      「支給限度額まで利用しない人が多いのだから限度額は上げなくてよい」という考えは、第三者の立場の方に多くみられた。
      • 負担増に関しては、「持続可能な制度にするには自己負担を2割に」、「高所得者は高負担率にする」といった提案がある。
        所得を確実に把握するためには、その前に社会保障の共通番号制度の検討が必要となるであろう。
      • 「月額3万〜4万円の1 割負担は年金生活には厳しく、週3回の利用を2回にするなど利用を抑える傾向がある。限度額を上げるより年金が問題」との指摘もあった。年金制度改革も急がねばならない。
  • 訪問介護の生活援助について

     訪問介護の生活援助は、「介護保険の給付から外し、公費負担としたほうがよい」という意見や「介護保険から外してはならない」といった意見があります。あなたはどのように思われますか。

    1. 介護保険から外してはならない
      [利用者、家族]
      • 生活援助がなければ他に人手を考えねばならない。外さないでほしい。
      • 同居家族がいても生活援助を受けられるようにすべき。
      [事業者、介護職員、元教員、医師、民生委員]
      • 在宅での必要条件である生活援助なくして一人暮らしは無理。
      • 一人暮らしの高齢者にとっては、生活援助は居宅で暮らせる命綱。
      • 少しの支えがあれば、わが家で生活できる。外してはならない。
      • 在宅サービスを充実させることは特養待機者の減少につながる。
    2. 公費負担とした場合の問題点
      [特養の施設長、市議会議員、民生委員、事業者、成年後見人]
      • サービス利用に行政のブレーキがかからないか。
      • 財源不足が懸念される。
      • 一部の人しか受けられないサービスとなる危険がある。
      • 地域差が生じる恐れがある。
      • 利用者負担はどうなるのか。人間らしい生活は保障されるのか。
      • 公費負担の場合、制約が加わり、自立と残存能力の活用の点が心配。
    3. 介護保険給付から外し公費負担に

      生活援助は「保険給付から外し公費負担としたほうがよい」という理由は、介護の提供側と受け手側では異なる傾向がみられる。

      看護師:
      「自立できている人の利用もある」
      ケアマネジャー:
      「便利だから使う人が多い」
      家  族:
      「高齢者2人暮らしにも生活援助は必要だから公費に」「生活援助は公費負担になると助かる」と、公費負担に期待をしている。
      • 生活援助は「ボランティア等が行う」、「地域の助け合い活動で行う」といった意見がある一方、「資格のない人がお手伝い代わりに使われることは納得できない」という意見がある。

 以上は、7問中3問の調査結果のポイントであり、その他の問のポイントはコチラに掲載。

II 調査結果の概要

1 要介護認定について

 「要介護認定はやめて、サービス担当者会議などにおいてケアマネジャーら専門家がチェックすればよい」といった意見があります。要介護認定について、あなたはどのように思われますか。

 また、要介護認定基準への不満や困ったことなどはありますか。

要介護認定は必要

  1. 家  族
    1.  現状でよい。ある程度公平な視点で捉えられていると思う。介護専門職だけでは公平、平等性が心配。
      (70歳代 女性 鳥取県 家族)
    2.  必要と思うが、普段の様子を把握しているケアマネジャー等専門家が認定に立ち会い、決めて欲しい。特に認知症の場合、訪問調査の時だけはっきりしている場合があるので。
      (50歳代 女性 東京都 家族)
  2. 事業者、ケアマネジャー
    1.  要介護認定はあったほうがよい。サービス担当者たちに決められた場合、不公平になりかねない。認定に不満があったり困ったりしたら高齢福祉課に相談している。
      (60歳代 女性 栃木県 事業者)
    2.  介護認定は支給限度額を決めるためである。家族状況によっても必要なサービス量、種類が異なる。必要なサービスが受けられるようになれば、認定は必要ないと思う。しかし、介護度の高い人ほど手間がかかるので、手間の基準として必要。
      (60歳代 女性 広島県 ケアマネジャー)
    3.  認定制度は、全国一律にするためにも必要
      (男性 茨城県 事業者)
    4.  現状でよい。担当者会議などでの介護認定ではいくらでも操作できてしまう。調査員の質を良くするべき。
      (30歳代 女性 宮城県 ケアマネジャー)
  3. 医  師
    1.  要介護認定は必要。ただし、基準の見直しが必要医師の診断―意見書を重視して欲しい
      (60歳代 男性 宮城県 医師)

2 不要とは言わないが、問題あり

  1. 家族、利用者
    1.  弟は立ち上がり座ることトイレに行くことはできるが重症の肺気腫があり外出できない。入退院を繰り返しているが、要支援1だった。誰のために認定調査を行うのかと怒りを覚える
      (80歳代 女性 埼玉県 家族)
    2.  利用者の実態を知らないままの表面的な調査やそれに基づく審査は、利用者本位の原則を無視している。
      (80歳代 女性 高知県 事業者・利用者)
  2. ケアマネジャー、事業者
    1.  権限と責任をもってサービスを決定できるケアマネジャーは(自分を含め)育成できていないと思う。現在の認定基準の曖昧さには不満
      (40歳代 男性 鳥取県 ケアマネジャー)
    2.  かつて認定委員を引き受けた経験では、各々の立場から審査検証する作業であるはずが、ルールにとらわれて審議を尽さず、結論を出さなければノルマが達成出来なかった。審査会の費用が有効に使われていないことと責任の拡散行為ではないかと思った。
      (60歳代 女性 沖縄県 施設長)
    3.  要介護認定は大変な金と時間を要しているにもかかわらず、審査員は情報を十分把握していない。
      (70歳代 女性 滋賀県 事業者)
  3. 元教員、民生委員等
    1.  要介護認定に、ケアマネジャーやヘルパー・介護福祉士など介護現場の専門職が、もっと関わること。認定基準に関しても同様である。
      (70 歳代 女性 京都府 元教員)
    2.  認定事務にかかる時間や経費を考えると、他によい方法があればと思う。
      (60歳代 女性 神奈川県 民生委員)
    3.  介護度で計るプランは人権無視とも思える。一つの指標として担当者会議があることは必須と考えている。その為には地域包括の役割が大きいはずだが巧く機能していない。担当部署の取り組み方は市民・現場の思いと乖離している。
      (60歳代 女性 大阪府 地域包括支援センター運営協議会委員)

3 要介護認定より担当者会議などでチェックを

  1. 家  族
    1.  要介護認定のとき主観が多々入るように思う。いつも接しているケアマネジャーら専門家のチェックのほうがよい。
      (60歳代 女性 鳥取県 家族)
    2.  要介護認定はやめて欲しい。当事者を中心にケアマネ、ホームヘルパー、医師等による担当者会議で行って欲しい。
      (80歳代 女性 鹿児島県 家族)
    3.  認定審査会は無用。きちんと訓練されたケアマネらによるサービス担当者会議でチェックするほうがよい。
      (60歳代 女性 三重県 家族)
    4.  正直、善意、客観的に判断できる人ばかりで構成されるなら、サービス担当者会議に大賛成。
      (60歳代 女性 福岡県 家族)
    5.  要介護認定の基準はわかりにくい。高知に来て認定の回数が変わったが、理由を説明できる人がいない。当事者や家族に勝る専門家は居ないので、希望する当事者あるいは家族が出席できる担当者会議にしてほしい
       自分の生活が人任せになってしまうのは、自己決定権を行使する自立観に反するし、責任感をなくしていく。
       また、ケアマネジャーが法の番人かのように日々の暮らしをチェックしているようで不愉快に感じることがある。
      (50歳代 女性 高知県 家族)
  2. 介護職員、事業者
    1.  不服申請はあっても無いに等しい。サービス担当者会議などにおいてケアマネら専門家がチェックすればよい。
      (60歳代 女性 神奈川県 介護職員)
    2.  在宅生活上意味のない質問がある。ケアマネらの専門家がチェックすればよい。
      (60歳代 女性 神奈川県 訪問介護事業所)
    3.  要介護認定は不要。状態が変化した時点でケアマネが変更申請すればよい。調査費、医師等への費用が多すぎる
      (60歳代 女性 和歌山県 介護職員)
  3. 医  師
    1.  要介護認定をなくし上限額をなくす。必要なサービスを必要なだけ使えるように。
      (50歳代 男性 鹿児島県 医師)

そ の 他

  1.  「要介護認定をやめる」という根拠がよく分からない。介護支援専門員・訪問調査員のレベルにバラツキが多く、基本調査―特記事項に誤字脱字、主語述語の逆転が多い。訪問調査員の平準化求める。専門家としての研修が必要なのではないか。
    (70歳代 女性 京都府 介護認定審査委員)
  2.  認定が現実にあっていない。努力して頑張ってぎりぎりできている。例えば90歳代の人より、何もしないでできないといっている人のほうが介護度が重い。医師は意見書の内容を本人または家族に確認すべき。例:認知度:調査ではVbだが、医師は自立。
    (50歳代 女性 滋賀県 介護職員)
  3.  要支援は「地域包括センター」がかかわるようになって、かえって複雑で書類が増えて、煩雑になったと感じる。
    (80歳代 女性 大阪府 利用者)
  4.  ケアマネの公共性・経済的独立性を担保できる仕組みを構築し、独立法人として設立・運営した場合は給付額の決定等の権限を付与すべき。7段階の介護認定を簡略化、若しくは廃止
    (40歳代 男性 東京都 事業者)
  5.  7段階の認定制度があいまいな点が多いのでなくし、利用したい人は利用できるようにする身体介護と生活援助の区別をなくす。配食サービスを行う。
    (60歳代 女 神奈川県 事業者 ケアマネ)
  6.  コンピュータによる一時判定で大まかな目安を決め、後は、ケアマネと地域包括担当者の判断にゆだねる。この場合、ケアマネは全員、地域包括の所属にするなど事業所とは切り離す。
    (60歳代 女性 静岡県 教員)
  7.  要介護認定が必要か否かとケアマネが必要か根本的に見直した方がよい。
    (60歳代 女性 東京 成年後見人)
  8.  あまりにも手間暇のかかる現行の認定制度はいかにも机上の制度らしく、速やかに改善をはかるべきと考える。
    (80歳代 女性 東京都 事業所理事)
  9.  要介護度が低いから介護負担が少ないかと言うと、まったくそうではない。
    例:夜、頻繁にトイレに通う際の家族の負担はあまりにも大変。
    (50歳代 女性 広島県 家族)
2 支給限度額について

 居宅サービスを利用するには「支給限度額」が定められ、限度額を超えるとサービス利用は全額自己負担となります。

 あなたは、支給限度額を上げたほうがよいと思われますか。

1 支給限度額は上げたほうがよい

  1. 利用者、家 族
    1.  支給限度を上げてください。限度額内では十分な介護ができず、家族の負担が増すばかり
      (70歳代 女性 鳥取県 101歳の母を在宅で介護)
    2.  居宅サービスを受けるということは、切羽詰ってのこと。家族も介護を受ける者もどうにもならないからサービスを受ける。1週間に1日しか受けられないなんて無に等しい。支援限度額を上げて居宅介護サービスの回数を増やせるようにしてほしい
      (80歳代 女性 鳥取 家族)
    3.  夫の介護は限度額内ではとても間に合わず自費による負担が多かった。支給限度額を上げてほしかった。
      (80歳代 女性 東京都 利用者・家族)
    4.  限度額では1人暮らしの人等の在宅生活はとても無理。所得の低い人に対しては特に限度額をあげてほしい
      (60歳代 女性 新潟県 家族)
    5.  限度額を上げるべき。ただし、利用料の1割を払えない人のためにセイフティネットがしっかりあるべき
      (50歳代 女性 高知県 家族)
    6.  重度の要介護者等には支給限度額は上げて、利用者の実態に即し適切なサービスを支給するとよい。ただし、所得の少ない利用者にとっては、支給限度額だけの問題ではない。
      (80歳代 女性 高知県 事業者・利用者)
  2. 介護職員
    1.  介護1の方は週4回ぐらいデイサービスに通え、料金も安く利用できる。要介護5の方は1日3回の食事介助や排泄介助をヘルパーに依頼すると、それだけで限度額を超える場合もある
      (40歳代 女性 沖縄県 介護職員)
    2.  軽度の方の限度額は現状のままでもよいと思う。要介護度4〜5の方は限度額を上げる必要があると思う。
      (50歳代 女性 秋田県 介護職員)
    3.  利用者はサービス計画をケアマネと相談のうえ立てるが、現状では十分なサービスが受けられるとは限らない。在宅で安全快適な生活を営むためにも支給限度額の引き上げを希望する。
      (50歳代 女性 沖縄県 介護職員)
  3. 市議会議員、教員、民生委員、医師
    1.  上げたほうがよい。いろいろなサービスを複合的に選べることが大切。もう少しサービスを利用することで状況がよくなる場合でも全額自己負担のため、あきらめて状況が悪くなる場合が多い。在宅介護は特に必要。
      (50歳代 男性 岐阜県 市議会議員)
    2.  要介護3以上の「身体介護」に関しては、限度額を上げるか、いきなり全額負担ではなく、3.5.7割といったように、段階的に負担額を増やしていく
      (60歳代 女性 静岡県 教員)
    3.  かなりの利用者は限度額を超えた全額自己負担分に困っている。可能な限り上げたほうがよい。
      (70歳代 女性 岩手県 民生委員)
    4.  無制限にあげたほうがよい。
      (50歳代 男性 鹿児島県 医師)

2 上げたほうがよいが、財源や保険料増が問題

  1.  利用者とすれば限度額を上げて欲しいと思うが、上がることで保険料の負担が大きくなれば、どちらが良いかは疑問
    (50歳代 女性 香川県 家族)
  2.  限度額が上がるのはありがたいが、1割負担も多くなり、少ない年金では利用回数を増やすことはできない
    (60歳代 女性 長野県 家族・介護職員)
  3.  限度額はなくしてほしいが、無限にお金があるわけでもないので、自己負担は仕方がないと思う。
    (70歳代 女性 長野県)
  4.  多少なりとも上げた方がよい。国の予算も考えてのことだが。
    (70歳代 女性 鳥取県)
  5.  当然上げたほうがいいだろうが、財源が問題だ。所得制限もありや。
    (70歳代 女性 富山県)

3 支給限度額は上げないほうがよい

  1. 家  族
    1.  このままでよいと思うが、低所得者に関しては別途援助、負担を軽減することを考える。
      (60歳代 女性 埼玉県 家族)
    2.  支援限度額は上げないほうがよい。医療費のように青天井になると、きりがない。低負担高福祉はありえない
      (40歳代 男性 長野県 家族)
  2. ケアマネジャー、事業者
    1.  支給限度額はそのままでよいが、要支援者の定額サービス利用を考え直して欲しい。本当に必要なサービスが組み入れられていない。
      (30歳代 女性 介護福祉士・介護支援専門員)
    2.  支援限度額はそのままでよい。多くの人が利用できるような制度、持続可能な制度にするには、自己負担を1割から2割にしてもよいのではないかと思う。
      (70歳代 女性 埼玉県 事業者)
  3. 民生委員、相談員等
    1.  広い利用のためには、支援限度額は上げなくても、ある程度、受益者負担も仕方がないと思う。
      (60歳代 女性 富山県 民生委員)
    2.  一応、限度額は上げないで、しかし、超えた場合の対策はとれないか。全部上げると、あまり必要がなくても目一杯使うということも一般的になりそうな気がする。高額になった場合の制度を充実してもらったらいいのでは。
      (60歳代 女性 岐阜県 団体会員)
    3.  現在の利用は60%未満(平均)。上げなくてもよい。
      (50歳代 女性 岐阜県 相談員)
    4.  現段階では、限度額の60%ぐらいが使用平均。使う人には不足もみられるが、まだ使い切れていない人も多く、このまま様子をみる。
      (60歳代 女性 岐阜県)

そ の 他

  1.  一人暮らし、高齢者のみ世帯等世帯によっては、また介護の必要の度合いによって限度額を超えるサービスが必要となる。マネジメントにおける不必要なサービスの導入を避けることは勿論だが、その上で自立を支援するために必要なサービスであれば、それが収まらない限度額というものは、それ自体が設計ミスではないか
    (40歳代 男性 鳥取県 ケアマネジャー)
  2.  現在の制度では何らかの限度額がないと持続可能な制度には育たないと思う。限度額を規定しておく一方で補完される何らかの方策を取り入れることを並行していく。しかし、不足分は「公助」で補うということでのボランティでなく、町づくりなどとドッキングした大局的な施策と福祉を密接した手法に繋ぐ解決がのぞまれる。安易な認知症サポーター育成やキャラバン隊でなく町がどこを補完できるのか、枠を越えて考えたい。
    (60歳代 女性 大阪 地域包括支援センター関連委員)
  3.  ケアマネの資質を高めることにより、要介護認定と支給限度額は不要になる。必要なサービスをケアプランに組み込めばよいだけで、ケアプランの妥当性をどうチェックするか。それは、医師の処方箋の妥当性も同様では? 利用者の負担割合、高額介護サービス費の基準、入所系の食費等減額基準等、保険料‐利用料のバランス設計全体を見直す。認定審査会廃止することで経費や時間を有効に使える。
    (50歳代 女性 東京都 事業者)
  4.  1割負担でも月額3万〜4万円は、年金生活では大きな負担。よってサービスを少なくしていく傾向がある。例えば、週3回行きたくても2回に抑えるということ。これは限度額の上下ではないように思う。年金そのものではないか。
    (60歳代 女性 山口県 家族)
    • 保険料との兼ね合いがある。限度額を超えた時全額ではなく、2割、3割と段階的に上げていくのもよい。
      (60歳代 女性 茨城県 家族)
    • 資産のある方には自己負担を多くし、資産がなく利用限度を超えた人には国等が負担して欲しい。
      (60歳代 女性 北海道 家族・介護職員)
    • 加入者の負担も増えるので収入に応じた負担額で対応していけばよい。
      (40 歳代 女性 茨城県 事業者)
    • 支給限度額を設けず、生活習慣病から要介護になった人は2〜3割とかにすればよいのではないか。
      (60歳代 女性 神奈川県 訪問介護 事業者)
3 訪問介護の生活援助について>

 訪問介護の生活援助(調理、洗濯、掃除、買い物等)は、「介護保険の給付から外し、公費負担としたほうがよい」という意見や「介護保険から外してはならない」といった意見があります。

 あなたはどのように思われますか。

1 介護保険から外してはならない

  1. 利用者、家 族
    1.  介護保険から外してはならない。夫婦共に要支援1。家事援助がなければ他に人手を考えなくてはならない。掃除と二人のベッドメーキング、買い物などもしてもらえるので助かるが、老老夫婦の場合、被介護者の分だけというのは困る。老老夫婦の二人暮らしが何とか成り立つように制度の見直しをしてほしい。
      (80歳代 女性 大阪府 利用者)
    2.  食事の用意、片付け、買い物を外されたら一人で生きてゆけない。1割を支払っていることが、お上のお情けは受けていないというプライドではないか。
      (60歳代 女性 長野県 家族・介護職員)
    3.  足が弱り出かける手段もなく買い物に行かないために栄養が偏る人、調理の時に包丁の使用が危なっかしい人、ガスを消し忘れる人、体力が衰え洗濯回数を減らす人等がいる。独居の高齢者が元気に暮らすには、生活援助は介護保険の重要な柱である。
      (60歳代 女性 三重県 家族)
    4.  我が家で馴染みの人々のいる地域で暮らせるためにも外してはならない。一貫性があるほうがよい。
      (60歳代 女性 岩手県 家族)
    5.  在宅介護の方針をこれからも推進していくのなら、是非、必要だと思う。介護保険料を支払っているのだから、介護保険の支給としたほうがよい。
      (60歳代 女性 富山県 家族)
    6.  身体介護と生活援助には余り境がないと思う。一律(固定額×時間)にすれば事務が簡素化できる
      (60歳代 女性 福岡県 家族)
    7.  公費負担に理解が得られるか疑問。むしろ、同居家族がいても生活援助サービスが受けられるように改善すべき
      (30歳代 女性 東京都 家族)
  2. 地域包括支援センター、事業者、介護職員等
    1.  在宅での必要条件である生活援助無くして独り暮らしは無理。個人の生活を支えるためにケアマネジャーはじめ介護に関わるワーカーの仕事が出来てきたはずである。基本となる生活援助は枠からはずすべきでない。
      (60歳代 女性 大阪府 地域包括支援センター関連委員)
    2.  要介護T、Uの方にこそ、十分な生活援助をして重度化の予防になっていること。在宅サービスを充実させることで特養待機者の減少につながるはず。
      (70歳代 女性 滋賀県 総合老人福祉事業所)
    3.  高齢者が生活していく上で一番必要なのは生活援助である。食べること、身の回りのこと、買い物を外すことは絶対反対。少しの支えがあれば、我が家で生活できるのだから。
      (70歳代 女性 神奈川県 事業者)
    4.  生活援助を利用することにより、在宅生活を継続していける方がいる。生活の援助とはいえ、介護に違いはないのだから、介護保険の給付から外すのは納得できない。もし、外すこととなったら他の形で生活の援助ができるようにしていくべきと思う。
      (50歳代 女性 秋田県 介護職員)
    5.  要介護者が安心して暮らせるように同居家族がいる場合にも生活援助を利用できるようにする。要介護者がサービスを自由に選択できるようにする。
      (40歳代 男性 東京都 事業者)
  3. 元教員、団体役員
    1.  生活援助こそが真の予防介護である。食事はできても調理や買い物ができなければ命を保てず、排泄は出来てもトイレの管理や掃除ができなければ不潔や臭気は防止できない。特に、一人暮らしの高齢者にとっては、生活援助は居宅で暮らせる命綱である。高齢者にとっては「できる」と「毎日続けられる」ことは、同義語ではない。生活援助を受けて、何とか一人で生活している高齢者は多い。
      (70 歳代 女性 京都府 元教員)
    2.  私のところは高齢化率42%、独居老人が多く施設も足りない状態で訪問介護の生活援助はとても必要。現状の1時間はヘルパーの負担も大きく利用者の不満の声も。もっと施設があればよいが、不足しているので生活援助は是非必要。
      (70歳代 女性 広島県 団体役員)

2 公費負担とした場合の問題点

  1.  調理、洗濯、掃除、買い物等が不如意になることこそが老化のはじまりとするならば、広く「介護」と考えて良いのではないか。例えば、ホームヘルパーが要介護U(独居)の方のお宅に伺うと、便失禁で家中に便がこすり付けられていて、その掃除で家事援助は終わる。夏場はゴミにウジがわいている・冷蔵庫の中には、わずかな食べ物しか無いが、どうにか調理する・という実態は、健常な人がイメージする生活援助とは、かなりかけはなれている。もし、公費負担とした場合は、サービス利用に行政のブレーキがかかりはしないかと危惧する。
    (60歳代 女性 沖縄県 施設長)
  2.  公費負担とするなら財源を明確にし、確実にそこに給付できるのであれば、そのほうが良いかもしれないが、新たな制度設計が必要となり、地域での格差や財源不足が懸念されるので、介護保険の中で充足させたほうが均一に公平になるのではないかと思う。
    (50歳代 女性 岐阜県 市議会議員)
  3.  「自立と残存能力の活用」の点から考えれば、生活援助があれば重い要介護状態にならない場合も多いので介護保険給付を受けられる方がよい。公費負担とした場合、より制約が加わり、自立と残存能力の活用では利用できなくなる心配がある
    (60歳代 女性 東京都 成年後見人)
  4.  公費負担の場合、地域差が生じる恐れがある。生きてゆくうえでは生活援助も医療介助も切っても切れない関係。もう少し利用者の立場で考えてもらいたい。
    (70歳代 女性 岩手県 民生委員)

3 公費負担にしたほうがよい

  1. 家  族
    1.  生活援助は介護保険の給付から外して公費負担になるととても助かる。ただし、限度額が上がり生活援助、福祉器具を目いっぱい使えれば介護保険のほうがよい。
      (70代 女性 鳥取県 家族)
    2.  介護保険料は年金から引かれているので、生活のことを考えると公費にしてほしい。公費になると、誰もが介護認定を望むようになる気がする。
      (50歳代 女性 香川県 家族)
    3.  介護保険の中に生活援助、介護予防まで入っているのはおかしいと思う。介護保険は介護に使い、予防などは給付から外し公費であるべきだと思う。2人暮らし老人にも生活援助は必要。
      (60歳代 女性 京都府 家族)
    4.  生活援助は、シルバー人材センターや地域住民のボランティアが地域の活動の中で行ってはどうか。介護保険給付から外して、その費用は介護保険支給限度額を増額するのはどうか。
      (80歳代 女性 鳥取県 家族)
  2. 事業者、介護職員、ケアマネジャー、調査員、看護職員
    1.  介護保険になる前から訪問介護に係っているが、認定のルールによって利用者負担など多くなるので公費負担で必要なものを利用するほうがよい。
      (60歳代 女性 福岡県 事業者)
    2.  介護度で生活援助の利用の仕方が違うと思う。利用者にあった援助が公費負担であればできるのではと感じる。
      (50歳代 女性 沖縄県 介護職員)
    3.  公費負担としたほうがよいに。公費負担だけでは補えない部分がある人には、介護保険を使ってもらう、という仕組みにしてはどうか。
      (30歳代 男性 介護職員)
    4.  身体介護も使用している人は介護保険。生活援助だけの人は病院付き添いも含めて公費負担(1〜3割自己負担)がよい。
      (20歳代 女性 宮城県 ケアマネジャー)
    5.  生活援助は地域の助け合い活動(有償ボランティア、NPO)で対応したほうが使いやすく、地域の人々の活用にもなるし活性化する。
      (70歳代 男性 宮城県 NPO法人 調査員)
    6.  生活援助のみの介護保険給付には反対。実際、自立できている人の利用もあり本人にとっては逆効果と思われるケースも眼にしている。
      (60歳代 女性 山梨県 看護職員)
    7.  保険給付から外したほうがよい。使う側は便利だから使うというのが一般的に多い理由である。ただし、独居等の相当の理由があれば利用できることは必要。
      (50歳代 女性 岐阜県 ケアマネジャー)

そ の 他

  1.  生活援助を介護保険だけで賄うことは無理。
     「食」についてはコミュニティレストランが各地にできるよう誘導策を。へルパーが栄養豊富な一人分作ることは限界あり。出かけていける足(移送サービスや車椅子で移動し易いまちづくり)も必要。洗濯・掃除のかなりの部分は機器の開発により障害があってもできることが望ましい。機器を使用し易い環境が大切。買い物もインターネットの普及や宅配システムでかなりカバーできる。このような資源開発を促進したうえで、ケママネがその人に必要と判断すれば家事ヘルパーもあり。
    (50歳代 女性 東京都 事業者)
  2.  ADLが自立している人の生活援助は行政の責任で行う。
     運営は、社協を中心に地域介護力を掘り起こし、「地域通貨」の利用などで本人や家族の意思でサービスを選択できるようにし、現在のようにケアマネの手を煩わせる膨大な書類の作成を廃止する。専門職の介護福祉士には、他の仕事をやってほしい。介護保険の対象は、身体介護を必要とする人に絞り、身体介護、生活援助に関係なく必要なサービスを提供する。
    (60歳代 女性 静岡県 教員)
  3.  生活援助を介護保険からはずす必要はない。
     身体介護と一体となっている場合もあるので介護保険とそのほかのサービスとの共存を考える。社会福祉協議会などが中心になって1.2時間なら誰かの手助けをしてもいいという人を活用する=共助の方法を考える。ボランティアをやってもいいと思っている人は多い。でも実際にどこで何をやっていいのか判らない人が多い。その結果社会資源が埋没している現状。
     ここは社会福祉協議会などが活躍してコーディネートしてほしい。介護保険の最小限の使い方を考えるためにも。
    (60歳代 女性 埼玉県 家族)
  4.  家族がいても日中働きに出たら一人ぼっちになる。
     生活の背景がみんな違うと思う。食べやすいようにサイドテーブルにおにぎりを置いていってくれるのだが、そのおにぎりをベッドの下に落としてしまい拾えなくて昼食ができないことがあった。
    (80歳代 女性 埼玉県 利用者)
  5.  夫婦揃っての食事というささやかな幸せも満たせない。
     老老介護、認認介護が多くなる中、本人の分しか食事を作らないというのは、いかがなものか。
    (女性 茨城県 家族)
4 介護保険制度の問題点について

 介護保険ここが問題と思われる点を上げ、ご意見をお記しください。

 例:介護職員の待遇改善と資格・研修制度/介護費用の増大と国民負担/
地方分権と標準的介護サービス(特養の設置基準を都道府県裁量とする等)/
要支援(介護予防)と要介護の異なる窓口/地域包括支援センターのあり方/
加算減算書類の山など。

1 システムのあり方、問題点

  • 安心と豊かさが介護保険と合体するには、まだまだ税の使い道、国家予算の配分ひとつとっても問い直せるものが多い。
  • 特養の設置基準を都道府県に裁量を任せ、地域の社会資源(廃校、一人暮らしの家屋敷、そこに暮らす人々、故郷を去り老いた両親を案ずる子等)、人々の出来る役割、時間、お金、知恵、技術などをみんな出し合い組織化すれば、その地ならではの、ゆりかごから墓場まで安心して心豊かに生きられるコミュニティが創られると思う。やってもらうからみんなが参画し創造し協働して生み出す。
  • 病院内の移動付き添いも介護保険が使えるようにしてほしい
  • 生活援助はしてはいけないことが多すぎる
  • 訪問ヘルパーの仕事内容が厳しく決められていることで心からのケアをする介護者が育成されない(マニュアルによる弊害)
  • 短期入所の枠がもう少しあると在宅と施設を上手く利用できる
  • 刻々と変化するターミナルに対応できる制度に。もしくは、ターミナルの認定基準を別項目にしてほしい
  • 小規模多機能施設や特養のサテライトの推進などによって、地域と家庭のキャッチボールができる施設やサービスの充実を
  • 介護予防は大切だが、介護保険でするべきではない
  • 一人暮らしになっても在宅で暮らせる制度へ
  • 認知症患者でも在宅生活を維持できるよう介護保険の再検討を
  • 認知症ケアの対応などメディアでも家族の気付き・看取りなどが強調されていることが制度の在り方に逆行するおそれを感じる
  • 金をつぎ込んでいる認知症サポータの養成の仕方に笑ってしまう
  • 安易な様々な形態のサービスの出現は、費用の増大と質の低下をもたらす
  • 財源締め付けによる介護認定やサービス制限はおかしい
  • 80歳になったら自己申告ではなく全員要介護認定を受ける
  • 介護を専門的な分野として(技術的、学問的)勉強できるよう確立を

2 介護職員の待遇改善、資格、研修制度、質の向上

[介護職員の待遇改善]
  • 直接介護にかかわらない部分より、給与アップに多くを使うべき
  • 加算はGHなどでは取りにくい。介護職員全体の待遇改善を望む
  • 年間報酬を日本の勤労者の平均額(年収450万円)に引き上げる方策が長期的な展望として必要
  • 予防給付専従のケアマネを置くことの出来る介護報酬の設定を
  • ケアマネの要支援の人への支援1月3400円はひどい
  • 介護職員処遇改善交付金のあり方が煩雑。支給も2年半と短く今後が心配
[資格]
  • ケアマネの上級資格は国家資格にするべき
  • 介護職員は国家試験に挑戦するという高い志が必要
  • 2級制度は引き続き堅持していただきたい
[研修制度・質の向上]
  • 癌や難病に対するケアマネジメントはレベルアップが必要
  • ケアマネを評価する第三者がいるのではないか
  • ケアマネの専門知識の不足が目立つ
  • 介護能力やコミュニケーション能力の向上が必要
  • 専門職の教育レベルのアップを
  • 介護の質を上げていくためには、きちんと学び、志を持った専門職が必要

3 地域包括支援センターのあり方

  • 在宅ケアを支えていくうえでも継続してほしい
  • 差がある中で、小さな直営のセンターは高齢者をしっかり把握
  • 予防介護を進めるのなら、職員の数を増やして地域にPRして欲しい
  • 負担の増大にならないように介護予防に力を入れてほしい
  • 介護予防特定高齢者施策の検討を
  • 敏速なきめ細かな対応が全くできていない
  • センターは地域に入っていく姿勢が足りない
  • 地域包括支援センターは必要なし。無駄遣いのように思う
  • 費用増大の中、使われ方、チェック体制も必要
  • 独立した公正、中立の組織にすべき
  • 要支援と要介護の窓口は同じ窓口で連携をよくする
  • 要介護と介護予防を分けると継続して利用者をサポートできない

4 介護費用の増大と国民負担

  • 保険料の負担増はやむをえないが、予算の使い方に無駄があるのでは
  • 介護保険の歳出入をわかりやすく公表するべき
  • 介護保険料が高額になりすぎ支払えなくなる(生活費がなくなる)。国費の割合を多くし、持続可能な保険料を維持すべき
  • 北欧のようになるなら福祉目的の消費税を導入してもいい
  • 介護保険料を上げても介護を受ける人が安価に十分な利用ができるとよい
  • 利用者の負担を2割負担にして、収入に応じて補助する制度がよい
  • 80歳以上で介護保険を使わない人には保険料の減額を
  • 要介護5の人から介護保険料をとるのは老後の不安
  • 支給は多いほうがよいに決まっている。保険料負担年齢を下げる
  • 収入増が期待できない以上、国会議員を半減してその歳費を介護に

5 医療と介護

  • 医療と介護の療養病床削減が全国の患者の家族を翻弄している
  • 療養型が廃止の方向ということにとても不安
  • ホームドクターの充実、往診料、見守りに充分な報酬を
  • 開業医の意識に問題あり
  • 町医者との連携がスムーズだと安心して自宅介護ができる
  • 痰吸引などは医師の指導を受けホームヘルパーもできるようにしてほしい
  • 病院の介護職員に何らかの手当てが必要
  • 医療、介護の縦割り行政で問題をより増幅している
  • 医療制度の変革で寝たきり高齢者の居場所がなくなる。高専賃に規制を
  • 後期高齢者医療制度の良いところは取り入れてほしい
  • 入院時のレンタル料が病院によって差があるのである程度の基準が欲しい

6 加算減算書類の山

  • 実介護に専心出来る証明の方法を考えなければならない
  • 1ヶ月に1回モニタリング・書類は必要か。様子を確認した内容は支援経過に入力している。モニタリングの書類は3ヶ月に1枚でもよいのではないか
  • 保険者である自治体が事務屋ではなくマネジメント機能を発揮できるように
  • 支払い請求のためにケアマネ所属の事業所への支払い請求書届け、加算減算等事務が煩雑。
  • 要支援から要介護、その逆と変更されることが多いが、その都度書類を交わすのは利用者にも事業者にも負担。合理的に事務処理できないか

7 地方分権と標準的介護サービス

  • 最低基準は国で抑えてほしい。そうしないと地域格差がひどくなる
  • 特養の設置基準を都道府県の裁量とする
  • 地域密着型サービスが国主導であることは判断に苦しむ

8 外国人介護

  • 外国人介護に納得いかぬ
  • 外国人の資格取得は、もっと楽に取れるように
  • 外国人ヘルパーに関する意見

9 福祉用具

  • 認定結果にかかわらず必要に応じて福祉用具の貸与を
  • 障害が1級、2級なら介護1でもベッド、車椅子利用をOKにしてほしい
  • 介護従事者の腰痛等職業病予防のためにも福祉用具の利用を

10 外部評価・情報開示、介護情報

  • なぜ地域密着サービスだけ外部評価、情報開示を受けねばならないのか
  • 国民が皆、介護経験をする制度を考えるとよい
  • 長寿会などで介護保険の内容や勉強会に力を入れることも大切
  • 1人暮らしの高齢者はサービスの利用方法などを知らずに困っている

11 現金給付

  • 介護保険の現金給付には絶対反対

12 企業参入、事業者への不満

  • 介護分野に利潤追求型の企業参入を促したのは間違いだった
  • 何でも民営には反対。公営なら収支トントンでよいのに民営にするというのはさらに儲けたいということ。人減らし、労働強化で介護は荒廃する。
  • 民間に任せてしまっていることがおかしい
  • 現場で働く介護職員は苦労ばかりで経営者ばかりが甘い汁を吸っている
  • 民間事業者への公的補助が少なすぎる

13 ボランティア、地域、家族

  • ボランティアの利用はよいが、資格のない人が働く方向は納得できない
  • 地域力やボランティアなどを活用し介護保険の利用はできるだけ少なく
  • 本来の日本的家族構成が崩れていることが淋しい
  • 家族の協力を引き続きお願いしたい旨、公にしてほしい
  • 問題を抱えた家族が増えている