7月31日、日本のへき地医療の最前線、群馬県の草津温泉に近い二つの施設を、運営委員会有志と群馬の会員、ながの高齢社会をよくする女性の会、16名で見学、勉強会を開きました。
講師の折茂賢一郎先生は、長野原町・草津町・嬬恋村・六合(くに)村の4か町村でつくる西吾妻福祉病院の管理者であり、六合村の六合温泉医療センターの創設者です。
西吾妻福祉病院が受け持つ4か町村の人口は3万8千人、観光地に近いため年間ならすと毎日プラス1万人。ヘリコプター基地をもち月2回程度搬送、救急車年間942人、分娩114件と、診療科11科、高齢者のための療養型病床37床含め111床、デイケアセンター20人という、地域の中核病院。六合温泉医療センターは、人の生活を丸ごと支える施設として、村内5カ所の公民館などに週1回出張診療所を設けています。人間一生の生活をサポートし、高齢者の在宅のみとりまで行うことを目指して活動する姿を見せていただきました。
7月9日、「後期高齢者医療制度をとことん検討する」勉強会は、講師に朝日新聞社編集委員の出河雅彦さんを迎え、高齢者医療の越し方行く末について、まさに「とことん」学ぶことができました。
いま、旬の話題とあって会場は大入り満員の盛況、後期高齢者の当事者は挙手していただいたら2割ぐらい。男性の参加者も目立ちました。
出河講師は、朝日新聞きってのこの問題のスペシャリスト。介護保険創設当時は「官僚もこの人から聞く」と噂されたほど医療・介護制度に精通した方です。
この勉強会のために徹夜で用意された数十枚のパワーポイントを駆使してのお話で、聞く側にも高齢者医療と介護保険の関連がするするとつながってきました。
それにしても、この制度をどうするか、それは私たち国民・高齢者の意思が問われている、と思いました。
洞爺湖サミットを前にして、私たちのネットワーク組織である高連協(高齢社会NGO連絡協議会)が、去る6月25日、官邸に福田総理を訪問。高連協がこの2年間取り組んできた環境問題についてシニアの決意と行動を報告するとともに「2050と言わずもっと早い目標設定を」「日本の特徴を生かして日本が持続可能モデル国となるように」との提言書をお手渡ししました。
福田総理はサミットに向けて超多忙中でしたが「貧しい時代を知るシニアこそ環境問題に取り組んでほしい」と理解あるご返事をいただきました。10分間のお約束を30分近く延長して話に花が咲きました。ちなみに高連協は堀田力さんと私が共同代表を務め、環境問題は樋口が担当しています。今回は、樋口と高連協の吉田成良専務理事、尾崎美千生高連協参与(人口問題協議会代表幹事)の3人で伺いました。
5月24日、元厚生大臣 津島雄二氏による特別講演が行われました。
テーマは「こうすれば、こうしなきゃ、社会保障と税制」です。
等を、大変熱心に分かりやすくお話いただき、会場を埋めた聴衆もまた熱心にじっと耳を傾けました。最後に会場からの発言にも丁寧に答えてくださいました。「社会保障と税制」を今後私達が主体的に考えていくうえで大変参考になる講演でした。
(詳しくは次号の会報をご覧下さい)
今回は私の「訪問入浴」体験をお届けいたします。要介護度も重くなったときの入浴サービスとはいかなるものか。訪問入浴の元祖というべき「デベロ老人福祉研究所」(水戸市)のご厚意で、4月25日初体験することになりました。
訪問入浴の問題点は、入浴そのもの以前に駐車スペースにありと発見。わが家のカーポートの屋根(2m強)では入浴車の車高が高くて入りません。屋根のないお隣の駐車スペースに置かせてもらい、お隣の車はそのまた隣家の空いていたスペースへ移動、ご近所の玉突き協力でやっと駐車できました。住宅の密集した街中ではやはり駐車スペースに困ることが多く、駐車禁止除外許可にはその日のスタッフすべての氏名の届出が必要だそうで、手続きが難しいとのこと。入浴時間は20分以内ですが、所要時間は50分程度。路上駐車をもっと簡単に認めてもらえないか、というのが第一の感想です。
スタッフにとって入浴サービスは重さとの戦いです。ガバと2つに割れてピタリとはまる浴槽は約10.5キロ。私が持つとヨロヨロ。女性がひとりで持って3階迄上がるのが限度でしょう。そして体の重み。私の体重は企業秘密で公表していませんが、「80キロ級の方はザラです」と言われて、少し気が樂になりました。スタッフ3人(女性2、男性1)総掛かりです。
入浴はやっぱりさっぱりしますし、浴槽のなかでは浮力があって向きの変換はわりとスムースでした。自宅という空間で、個人の体調に合わせた入浴は、デイサービスや施設では味わえぬ贅沢で、在宅のお年寄りが楽しみにするのはごもっともと了解できました。
ご存じの方も多いと思いますが、訪問入浴サービスは1回、¥12,500、1日に5軒 ぐらい行かないと経営は成り立たないそうです。本人は1割負担です。他の先進諸国にない「お風呂大国」というべき日本文化の所産の入浴サービス。これからのご発展をお祈りします。
昨年からの運動が実を結び「介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律案」が参議院本会議において全党一致で可決・成立しました!待遇改善運動と法案可決・成立の経緯は以下の通りです。
政府は、高齢者等が安心して暮らすことのできる社会を実現するために介護従事者等が重要な役割を担っていることにかんがみ、介護を担う優れた人材の確保を図るため、平成二十一年四月一日までに、介護従事者等の賃金水準その他の事情を勘案し、介護従事者等の賃金をはじめとする処遇の改善に資するための施策の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
政府は、高齢者等が安心して暮らすことのできる社会を実現するために介護従事者等が重要な役割を担っていることにかんがみ、介護を担う優れた人材の確保を図るため、平成二十一年四月一日までに、介護従事者等の賃金水準その他の事情を勘案し、介護従事者等の賃金をはじめとする処遇の改善に資するための施策の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
2月にスウェーデン、エスロブ市のシシリア・リンド市長のお話を伺いました。エスロブ市はスウェーデンのほぼ最南端、デンマークの首都コペンハーゲンから汽車で1時間の所にある人口約3万人の町です。高齢者福祉の最新事情をお話しいただきました。エスロブ市の高齢化の状況、高齢者の社会参加の促進、介護スタッフの教育、グローバリゼーションと介護、ケア施設、等々大変内容の濃いお話に、文字通り立錐の余地なく会場に詰めかけてくださった参加者が熱心に耳を傾け、質疑応答も熱く交わされました。通訳はスウェーデン大使館内のスウェーデンクオリティケアのヨアキム・カウト所長。真摯な通訳ぶりと流暢な日本語に感謝!でした。スウェーデンと日本では介護職の社会的処遇に大きな差異があることがわかった勉強会でした。詳しくはどうぞ3月発行の会報182号をご覧下さい。
IFA(International Federation on Ageing)(世界高齢者団体連盟)のIrene Hoskins 会長が来日。2008年9月4日〜7日にモントリオールで開かれる第9回国際会議で当会がワークショップ(分科会)を分担しないかということで、取りあげるべきテーマについて話し合いが行われました。テーマについてはこれから運営委員会で正式に討議することになりますが、ジェンダーの視点から、今回の大会テーマである「デザイン」を考慮に入れて、「女性の視点から見た一人暮らしの安全確保の町づくり」「外国人労働者との共生問題」などのテーマが話し合いの中で候補に挙げられました。今後本会内部とIFAと連絡を取り合って決めていくことになります。皆様ぜひ9月のはじめのご予定をお空けになってモントリオール大会にご参加下さい。
昨年9月20日、舛添要一厚生労働大臣に「介護人材確保のための緊急提言」を直接提出し、民意がものを言うとのご意見にヒントを得て、私共は25年の活動史上初めての署名活動に取り組みました。
「人間の介護を担って働く人々に人間らしい待遇を求めます(仮/3万円法)」の署名は驚くほどの反響で、私共の危惧は瞬く間に吹き飛び、僅か1ヶ月半の間に14万人に及ぶ数を数えました。ますますこの運動の渦を大きくするために趣旨賛同団体の皆さまとともに12月9日には虎ノ門ニッショーホールで大集会を開き、さらなる活動に向けての協働を確認し合いました。
待遇改善法案実現のためには超党派の協力が不可欠であり、9月20日の要望書提出時から与野党の党首、代表者に協力要請し続けました。国会会期を考えると、もう待ったなし! 集まった“民意”はなんと151267人分!
1月16日、舛添大臣に提出いたしました。代わりに受け取っていただいた阿曽沼老健局長会見時の写真を添えてご報告いたします。
趣旨賛同団体・関係機関・会員の皆様にお礼申し上げますとともに、法案実現に向けてご協力いただけますようにと願っております。
明けましておめでとうございます。本年も皆さまとごいっしょに、明るく安らぎのある高齢社会創造に向けて努力したいと存じます。
介護人材確保のための「3万円法」(仮)への署名は、短い間に全国から集まり、12月26日現在で14万7278人と15万近い数に上りました。
民主党では年末からの論議を経て1月9日「介護労働者の人材確保に関する特別措置法案」の上程が決まりました。
写真はわが高齢社会をよくする女性の会の国会議員訪問、陳情風景です(12月26日)。
公明党では「討ち入りシンポ」登壇の古屋範子衆議院議員が厚生労働委員会で介護人材確保への質問(12月12日)。
共産党議員団は、人材不足を打開するための「緊急提言」を提出(12月25日)など、当会が先導役を果たした感じです。今後ともこの政策がひろがるようご支援下さい。