国際シンポジウム「女性の視点からの持続可能な復興」が、岩手大学復興祈念銀河ホールで、去る8月20日(月) に開催されました。主催は、岩手大学男女共同参画推進室、東京家政大学人間文化研究所、NPO法人参画プランニング・いわて。
基調講演は、デラウエア大学災害研究センター副センター長のトリシア・バッハテンドルフ氏、取組報告は岩手大学地域防災研究センター長の堺茂樹氏と岩手大学副学長の菅原悦子氏、続く講演は、樋口惠子理事長(東京家政大学名誉教授)と、会員でもある城西国際大学客員教授の原ひろ子氏(災害と復興ネットワーク事務局長)という学者・研究者揃いでした。
当然専門分野の内容の濃い発表がなされ、今回の東日本大震災の犠牲となられた方々にあらためて祈りを捧げ、災害の教訓を生かして復興に励まなければならないという思いが会場を包みました。
樋口理事長は、今回の災害で死者の過半数、災害関連死の9割弱が高齢者であったことから、福祉避難所の増設と機能強化を指摘。要介護高齢者の傍らにいるのは施設・家庭を問わず圧倒的に女性であること。施設職員の殉職に対して自衛官・消防・警察並みの対応を、と提言しました。一方、本会の被災地のグループで、メンバーも被災高齢者であるにもかかわらず、高齢者の知恵と底力を発揮して配食サービスを続け現在に至っている「仙台あかねグループ」や、炊き出し・訪問・安否確認に地域の結びつきをフルに発揮して活躍した福島、郡山のグループ活動を紹介。高齢化世界一の日本では、高齢者は支援を受ける側だけではなく、体力・能力に準じて地域を支え続ける気力を持つべきだし、男女共同参画で復興を、と締めくくりました。
災害復興を契機に高齢者も意識改革を諮らねばならないと聞いて、地元のグループ「盛岡高齢社会をよくする女性の会」小川口照世さんは、「また元気が出ました」と笑顔。完成したばかりの木の香漂う銀河ホール、そのこけら落としにふさわしいイベントでした。
樋口理事長がNHKラジオ第2放送に出演します。
番組は「社会福祉セミナー」
8月の「私がすすめる福祉の本」というシリーズで話をします。
放送日 8月18日(土曜日)午後 6 : 45 〜 7 : 10
再放送 8月19日(日曜日)午後 0 : 15 〜 0 : 40
樋口理事長がすすめる本は
「夜と霧」 ビクトル・フランクル著
ナチス・ドイツの強制収容所から生還したユダヤ人の精神医学者による生な体験記録。 人間に対して私たちの考えの幅を広げ、思いを深めてくれる本は福祉に関わる人にとってきっと役立つ本だと思う。 という要点でたっぷりお話いたします。
なぜこの本を福祉の本としておすすめするかをぜひお聞きください。
7月21日に勉強会を開催しました。 まず長野県佐久市の佐々木都さんから、 おひとりさまの映像作家を見送った経験談。 葬儀の仕方などご本人の注文はあっても地元の葬儀社との折り合いがつかないとか、 現実に行うには小さな問題点を乗り越えなければならないこと、 何事もグループ会議で請け負ったのがよかったことなど実際にやってみなければわからない経験談がご披露されました。 次は京都の中西豊子さん、友人が急病で医療機関に入ったところ、 病名を教えてもらうにも 「個人情報にかかわるで、洩らしたら百万円もんや!」 という医師に拒否されたことから話が始まりました。
別な例ですが個人情報の壁に阻まれて手術後ICUに入ったかどうかも親族以外に明かせてもらえないとか、 もしかしたら個人情報保護法の陰に隠れて事件さえ起こっているかもしれないと夏の寒き思いをする話もありました。 京都の会では個人情報保護法に関する勉強会を開き要望書をまとめています。 出来れば東京本部と一緒に要望書を提出したいということでこの件に関しては出席者の皆さんの拍手で趣旨採択をさせていただきました。 こうした具体的な活動が私どもの地域のグループで実践されていることを誇りに思います。
本会の第8回定期総会は、去る6月23日(土)、田町の女性就業支援センターホールで開催され、北は北海道札幌から、南は九州福岡・熊本・大分と全国から参集した会員との和やかな中にも真剣な審議が行われました。今年は、全国大会を9月22日〜23日、大阪・堺市で開催、恒例の東京歳末名物「女たちの討ち入りシンポ」は、師走の12月15日(土)に開催します。
さて、今年の総会はビッグ企画が功を奏して、会場は一般の参加者も加わり満席。北欧の終末期医療・介護に寄せる関心の高さを窺い知ることができました。
平均年齢77歳という視察メンバーの年齢がまず売り物。高齢者の目と心で北欧の高齢者の現状を視察することの意義は、報告の中から溢れ出ました。次号の報告特集会報をお楽しみに。
さて、例のごとく会場を沸かせた樋口節をご披露します。旅立ちの心躍る日は、80歳の誕生日の翌日だったそうで、「緑燃ゆ 陸(おか)を離(さか)りて空を行く 八十路の初日(はつび)ありがたきかな」とおごそかに一首。会場一同、その格調高いお歌に感服。
ところが道中半ばで、口をついて出た一首は「されど八十路 常の起伏(おきぶ)しままならず 立てばよろめき 座ればためいき 歩く姿はボケの花」。当然会場大爆笑。暫し笑い声は止まりませんでした。あ〜ぁ可笑しかった。
樋口理事長、沖藤、袖井両副理事長、藤原監事、富安理事、読売新聞記者の針原さんの一行は、無事北欧視察の旅を終えて帰ってまいりました。 大変有意義な旅行でとても勉強になったようです。6月23日の総会後帰朝報告会を予定しています。どうぞ聞きににいらしてください。
会員で2例会の講師を務めてくださった渡辺敏恵先生から以下のお知らせが届きました。どうぞご覧ください。
「さて、3月に行った鹿児島での講演の際に南日本放送局の取材が入り、その模様が放映されました。 以下でご覧になれます。3分ちょっとですが、良くまとめられているのでお時間のある時にみなさまご覧になって頂ければと思います。渡辺敏恵」
「人生最後の医療のあり方を考える」勉強会の一環として、北欧の高齢者の生き死にのありようについて、現状を視察したいという一行5人が、スウェーデン・フィンランドに向けて、5月5日成田を出発いたしました。スウェーデンの渡邉大使にもお骨折りいただいているので、より多くの情報が得られるのではと期待は高まり、読売新聞の女性記者が全行程を同行取材することになりました。
いずれ、読売の紙面に記事が載ることでしょう。お楽しみに。
後半、フィンランドを訪れ、5月13日帰国予定です。本会では、6月23日(土)午後の総会記念イベントとして、このツアーの報告会を企画しています。一般の方も参加費千円で聴講できますので、ご希望の方は事務局までご連絡ください。
ツアーのメンバーをご紹介します。団長は樋口恵子理事長、前日の5月4日に満80歳を迎え、80代の初仕事が北欧視察になったと意気込んでいます。続いて歳の順から、藤原房子本会監事、冨安兆子(よしこ)高齢社会をよくする北九州女性の会代表、同い年の沖藤典子本会副理事長、袖井孝子本会副理事長、以上の5人の皆さまの平均年齢は、なんと77歳!!です。「命短し、遊べやばあさん」を唱える藤原さんらご一行が無事出発したスナップを添えてご報告まで。
3月29日、女性就業支援センターにおいて、終末期シリーズ第4弾として「尊厳死・安楽死と法」をテーマに勉強会を開催いたしました。シリーズ3回は医学の観点からの内容でしたが今回は法律の観点からということで弁護士の鈴木利廣先生にお話を伺いました。たくさんの事例の中から大変興味深いお話をしていただきました。質疑応答も活発に行われ大変有意義な勉強会でした。詳しくは会報をご覧ください。次回も引き続き弁護士の木村晋介先生にお話を伺う予定です。ご期待ください。
1月13日、女性就業支援センターホールで開催したシンポジウムは、おかげさまで、予想をはるかに超えた来場者を迎え、うれしい悲鳴を上げました。満席の会場は、一時は補助イスを出すほどの大盛況。ご協力いただきました皆さま、ありがとうございました。
オープニングは、本会討ち入り恒例の渥美右桜左桜(渥美雅子弁護士)さんの前口上。続いて、基調講演は「社会保障と税の一体改革について」、改革最前線の内閣官房社会保障改革担当室長中村秀一氏。
その後は、シンポジウムで、第1部は「住み慣れた地域で暮らし続けるために」
第2部は「老いのいのちと生活を支える地域と医療」と題して、いま最も注目されているその道の第一人者の皆さまにご登壇いただくという、大変贅沢なシンポジウムでした。貴重なご発言が続き、途中誰一人席を立つ人もなく、壇上も客席も熱気で溢れかえりました。
詳しくは、2月初めに発行予定の会報をご覧ください。
12月3日、江戸川区、杉並区、世田谷区の3区長にお集まりいただき、多くの課題について、それぞれの区でどのように取り組んでいるのか、 語っていただきました。3区長の内容の濃い熱いお話に会場いっぱいの聴衆は熱心に耳を傾けました。 双方の熱気で会場全体が燃え上がるかのような勢い。本当に素晴らしいシンポジウムになりました。
詳しくは会報をご覧いただくか、事務局までお問い合わせください。
11/2 の「口から食べられなくなったらどうしますか」〜平穏死のすすめ〜 は、80人の定員を補助椅子を使い切る100人近い聴衆を集めて、大盛況。無事終了しました。
目覚ましい医学の進歩は、時として、口から食べられなくなったら、人間は死が近いのだという自然の摂理を、忘れさせてしまったのでは、 とバリバリの外科医として、命を救う、一日も長く生きることを追い求め続けた石飛幸三先生は、自戒を込めて「平穏死のすすめ」を講演されました。詳しくは次号の会報で。
講師 評論家 樋口恵子
「元始、女性は太陽であった」という平塚らいてうの巻頭言で知られる『青鞜』は、1911年(明治44年)に刊行され、ことしちょうど100年。
『青鞜』に集った女性の思いと生き方は今の日本にどう根付いているのだろうか。
明治の末から大正・昭和と、女性の先頭に立って駆け抜けた先輩たちの足跡を追い、今に生かすものは何か考える。
大好評で3回目まで集録終わりました。残る4回目は11月10日(木)に行われますが、待望の放送日が決まりましたので、お知らせいたします。
全4回 放送日時
1 | 12/4(日) 夜8時 - 9時 |
「元始、女性は太陽であった」 『青鞜』主宰者平塚らいてうと若き群像 |
2 | 12/11(日) 夜8時 - 9時 |
「山の動く日来る」 『青鞜』に冠頭詩を寄せた先輩大詩人与謝野晶子 |
3 | 12/18(日) 夜8時 - 9時 |
もう一つの系譜「婦選は鍵なり」 市川房枝とその活動 |
4 | 12/25(日) 夜8時 - 9時 |
思想しつつ生活しつつ 羽仁もと子 自由学園と『婦人之友』 |
NHKラジオ第2 「カルチャーラジオ」 です。ぜひお聞きください。