2019年4月2日、日本記者クラブに招かれて講演を行いました。 テーマは「平成とは何だったのか」(18) 女性と社会〜何が変わり、何が変わらなかったか〜 会場は各社の記者、OBで満席、いつもの樋口節は冴えわたり、2時間を話し切りました。 司会は小川記代子産経新聞社東京編集局副編集局長。小川さんの会見リポートを日本記者クラブのホームページから転載します。
男女平等社会の実現、介護保険制度の導入と多岐にわたり社会制度改革に注力してきた女性評論家の樋口恵子氏が、平成時代の女性と社会、自身の思いを語り尽くした。
女性の社会的地位は大きく変わった一方、なお残る課題もある。だが「希望は捨てていない。30年、50年という単位でみれば、必ず変わる。変わったことは男女ともどもに益を及ぼす」と力強く語った。
※日本記者クラブのホームページ、YouTubeから講演動画も見られます。
本会が一昨年実施した「高齢者の服薬に関する実態調査」は、調査報告書も好評で多くの反響を得ています。
この度「福祉住環境コーディネーター協会」から、他の3団体とともに福祉住環境アワード賞を受賞しました。住環境整備部門、地域づくり部門、まちづくり部門、そして私たちが受賞したのは「健康づくり部門」です。
3月16日、大阪大学豊中キャンパスを会場に開かれた「第6回福祉住環境サミット」の席上、表彰状を授与されました。調査メンバーを代表して、理事の石田路子さんが賞状と楯を受け取り、20分ほど調査の概要を講演、会場の皆さまは興味津々で聞いてくださいました。私(樋口)は、このシンポジウムで基調講演をつとめ、「高齢社会をよくする女性の会・大阪」の小林敏子代表はじめ大阪の会員の皆さま、京都や神戸からも多くの仲間が参加してくださって、おかげさまでまことに心丈夫でございました。広く本会の多様な活動をアピールできたことをご報告いたします。
2月6日(水)、久々の雨に見舞われた寒い一日でした。東京国際フォーラムロビーギャラリーに「〜その介護離職、おまちなさい〜」とひときわ大きな看板が立ちました。
人生100年大介護時代、働く介護者は346万人、介護離職年間9.9万人という時代です。
せっかく就いた介護労働を辞めなくて済むように、家族の介護のために仕事を辞めざるをえなくされないように。多角的に多彩なプログラムが組まれた長丁場の1日でした。
主催:「介護離職のない社会をめざす会」の共同代表を務める本会の樋口恵子理事長は、第1部で結城康博氏(淑徳大教授)と「その介護離職、おまちなさい」をトークセッション。第2部「職場へのメッセージのパネルディスカッション」、第3部「息子介護を考える講演会」、第4部「働く人へのメッセージのパネルディスカッション」が続きました。
情報の探し方、介護保険のサービス・ケアプラン、介護と仕事の両立など12の相談コーナーのうち、わが会は労働相談を担当しました。仕事と介護についてのアンケート結果の展示と“みんなの声”を集めるコーナーの担当も本会。数こそ多くありませんでしたが貴重な声が寄せられました。
広い意味で介護にかかわる企業からのブース出展も11社。IT活用のケアについての紹介もあり、まさに近未来の介護を体験するようでした。
介護を必要とする市民とそれを応援する活動、介護に携わる事業所・従事者、介護関係企業が一堂に会し出合った相互の関係は、これからも有形、無形に社会に根づいていくと思わされた1日でした。
去る5月16日の参議院本会議において、「政治分野における男女共同参画推進法」が全会一致で可決・成立しました。(5月23日公布・施行)この法律は、超党派議連による議員立法で、国政選挙や地方議会選挙で男女の候補者数ができる限り均等になるよう政党や政治団体に自主的な取り組みを求めていますが、努力義務のため強制力はありません。
本会が役員団体をつとめている「クオータ制を推進する会(Qの会)」は、これまで法制化にむけて様々な要望活動を続けてきたところですが、参議院本会議当日には、Qの会役員や賛同団体のメンバー、大学生などが国会の傍聴席に詰めかけ、新たな法律の制定という歴史的瞬間を見守りました。
5月30日には、Qの会主催のお祝いの会が開催され、賛同団体、超党派議連の国会議員・秘書、有識者、メディアの応援団など約120人が集まりました。本会樋口恵子理事長は乾杯の発声の中で、「この喜びの日をみられて長生きしてよかった。誰ひとり置き去りにしない社会を共生するために、男女のバランスが取れた方が人類全体に対してよい政治が行われる。そう思った人たちによってこの法律が成立した。それを実行していくのは私たちである。私たちのこれからの重い役目に向けて乾杯!」と語りました。 (佐藤千里・記)
1.17阪神淡路大震災 3.11東日本大震災を経験して、地域のきずなづくりの必要性が問われ、叫ばれ、実践が続いています。
子育ても高齢者の介護も障がい者の支援も地域で包括し、支える仕組みをつくるために、今の時代の地域社会にマッチしたきずなをどうやってつくるかという作戦会議が、新年早々の1月15日、内幸町のイイノホールで開催されました。全国各地から500人の参加で会場は満席となりました。
当日は、事前に募集した地域のきずなづくり提言の優れたもの12本の発表と会場まるごと審査員となって一つ一つの採否を問うという、ユニークな企画内容でした。例えば提言1本目、「認知症になっても最期までいきいきと暮らせる地域にしよう!」(広島県福山市) の発表を聞き、質疑応答を経て、採択の合否は、参加者が青・白のカードを掲げて決めます。議長席は主催の「高齢社会NGO連携協議会」から堀田力・樋口恵子共同代表が座り、全体司会は本会の松村満美子理事という豪華なメンバーで、客席も舞台もスタートから盛り上がっています。
厚生労働省の蒲原基道事務次官もご臨席され、お祝いのお話しをいただきました。
記念講演は、日本サッカー協会最高顧問の川淵三郎氏から、楽しいお話しの最後に「一日一回、つま先立ち運動一分間(30回)のすすめ」を全国に広げてほしいと「提言」されました。
12本の提言のうち本会関係者は「企業も地域の一員、ビジネスと地域おこしを両立させよう!」千葉県大網白里町、野老(ところ)真理子さん、古都・京都で助け合いの地域づくりを提唱している京都市の中西豊子さんでした。本会からは30数人の参加者で、皆さまのご協力に感謝いたします。いろいろありがとうございました。
提言の詳しい内容は、後程「さわやか福祉財団」ホームページでご覧いただけると思います。
第4回の高齢者医薬品適正使用検討会が、10月30日(月)厚労省内で開催され樋口恵子理事長が出席しました。高齢者の医薬品の適正使用を考えるこの会議メンバーは、医師・薬剤師・看護師など医療専門家が中心で、一般高齢当事者を代表する形で座るのは数人です。第1回の会議後、本会としては実態調査をして高齢当事者の声を届けてはどうか、との声が上がり総会に諮り今年度活動として取り上げられました。
「いま高齢者は医薬品についてどんな思いを持っているのだろうか。困っていることは何か。これからどうしたいのか」など、あくまでも高齢当事者の服薬に関する実態調査として、去る9月から10月末日まで、調査が実施されました。
現状と医薬品への要望をできるだけ正確に把握し、検討会や厚労省はもちろん、広く世に発信したい、とスタートした調査は、本会関係者機縁法によるもので、返信は封筒も切手も皆さまのカンパでお願いしたいという厚かましい方法でした。
会員・関係者の皆さまは調査をお願いし、回収しながら、また次の方にお願いが広がり、回答回収は、なんと5,000票余にもなったのです。驚きは感動の渦となり、今事務局を取り囲んでいます。まさに善意とボランティアによるこの調査には、皆さまの医薬品に対する信頼も不安も将来への願いも、すべて本音の記述があるのではないかと、集計の結果を楽しみにしているところです。
この場をお借りしまして、調査にご協力いただきましたご関係各位に、樋口理事長はじめ運営委員会一同、心からの御礼を申し上げる次第でございます。そして今年の歳末東京名物「女たちの討ち入りシンポ」はこの調査報告を軸に、楽しくにぎやかに討ち入りシンポを展開してまいります。12月16日(土)午後、日比谷公園内の日比谷コンベンションホールにぜひお出かけくださいますよう、お待ちいたしております。
少し前になりますが7月20日に介護離職のない社会をめざす会の主催により標記のシンポジウムが開催されました。日本を代表するトップの政(厚生労働副大臣:橋本岳氏)、労(連合事務局長:逢見直人氏)、使(JTB取締役人事部長:花坂隆之氏)の三方の講演はとても厚みのある内容でした。橋本厚生労働副大臣からは介護離職ゼロに向けた取組み、仕事と介護の両立支援制度の見直し、直近の介護保険制度の見直しが紹介され、逢見連合事務局長は連合が行った仕事と介護の両立問題に関する実態調査の報告、政府の「働き方改革実行計画」に対する連合の評価を同一労働同一賃金の実現など12項目にわたって明示、介護離職をなくすための連合の取り組みも例えば育児・介護休業利用による不利益扱いの禁止などを明確に示されました。
花坂JTB人事部長の労働力人口減少社会でのダイバーシテイ戦略はまさに“目から鱗”ともいえる企業戦略としてのワーク・ライフバランスの実現、10年の取り組みで育休取得は当たり前になり、現在は介護への取り組みに入っているとのことでした。
三方の講演を受けて、めざす会の共同代表としてコ―ディネートを務めた本会樋口恵子理事長は、大介護時代がやってきている今日、年間10万人にも上る介護離職、隠れケアラーをなくしていくために「介護離職のない社会をめざす会」の見える化を、とシンポジウム開催の趣旨を集約しました。この場で会として橋本厚生労働副大臣に「平成30年度予算概算要求へ向けての要望書」提出を行いました。写真をご覧ください。要望書の全文をご覧になりたい方は「介護離職のない社会をめざす会」のホームページをご覧ください。
(石毛^子・記)
写真提供:「介護離職のない社会をめざす会」
本会が役員団体をつとめる「クオータ制を推進する会(Qの会)」主催の院内集会が、わが国女性参政権行使71年の記念日である4月10日に開催された。
まず「政治分野の男女共同参画推進法」の早期成立を求める要望書が採択され、手分けして与野党役員らへ提出団が出発。その間にQの会役員団体のトップを切って樋口理事長が力強いアピールを行った。
「高齢社会をよくする女性の会は、女性議員の数を増やすために、20年来活動し取り組んできた。わが国ではいまや高齢者の女性の人口が多く、65歳以上では女性が6割、80歳を超えると男女の比率は2:1。しかし国会をみると、女性も少ないけれど75歳以上の議員がほとんどいない。後期高齢者医療制度ができた時、国会にも政府委員にも75歳以上の人は一人いるかいないかくらいだった。“Nothing About Us Without Us” 私たちのことを私たち抜きに決めないで。基本の「き」は、まず男女同数。まだまだ高齢者も頑張ろう。そして家族がいなくても、十分女性が生きていける社会にしよう。大は小を兼ねると言う。人数の多い女の方に合わせておけば、男も幸せになれる!」。会場は大拍手で盛り上がった。
女性の尊厳を表す紫色をまとった約170人が集まり、国会も地方議会も女性議員が約1割の現状を変えていこうと気持ちを一つにした。 (佐藤千里・記)
米国大使館と東京家政大学女性未来研究所共催のシンポジウムが港区赤坂のアメリカンセンターで1月26日、開催されました。
企画当初は、キャロライン・ケネディ駐日大使と語り合えることで、前評判高く期待されていましたが、アメリカ大使館にも激震が走ったという、あの想定外の結果で、願い叶わず、大使は帰国されてしまいました。
後を受けてくれたのは、大使館の広報・文化交流担当公使のマルゴ・キャリントンさん。公使就任前は、ワシントン、ニューヨークの国務省フォーリン・プレスセンターでディレクターを務め、2007年〜2010年まで在福岡米国領事館で、初の子供を持つ女性首席領事として活躍された素敵な講師です。日本側は女性未来研究所長の樋口恵子さん。
モデレーターの並木有希研究所研究員は、日本女性のおかれた立場を、過去と今後の課題にまとめて報告され、マルゴ・キャリントンさんからアメリカの女性の現状が英語で報告されましたが、参加者の大半は同通のイヤホーンなしで聞ける日本女性でした。
樋口さんからは仕事・出産育児・ケアのトータルバランスが取れた社会づくりが急務なこと、そのためにはあらゆる女性が協力して、チャレンジを続けていくことです、と。
最後にスペシャルゲストの赤松良子さんから、日本の男性の変化には目を見張るものが、希望の光は消さずにみんなでより輝かそう!、と86歳の先輩に参加者全員が勇気とやる気を貰いました。
今年3月、最高裁による認知症JR鉄道事故賠償裁判の判決は、一審二審を覆し、家族を免責しました。おおむね世論は好意的で、私たちも一応安心しました。
しかし、この判決で、これからの認知症の人と他の人々が共生するビジョンは描けていません。市民同士の小さなトラブルをどう許容するか、被害を補償するのはだれか。
そもそも家族が免責されるとしたら、施設は家族の分まで責任を問われるのか。どうかすると、認知症の人を塀の中に閉じ込める方向を取りかねません。それは絶対ごめんです。
というわけで、去る7月の総会で賛同を得て、とくに法律の専門家、堀田力氏、小賀野晶一氏、堤修三氏、外岡潤氏など錚々たる方々と、関係団体、本会運営委員会有志の勉強会を開いてきました。関係各行政機関へ要望書提出を前提としたものです。
これら研究会のご報告もかねて、10月30日(日)13:30〜16:00、四谷主婦会館プラザエフ(4Fシャトレ)で勉強会を開催します。ご関心ある方はどうぞ、ぜひお越しくださいませ。お申込み・お問い合わせは本会事務局まで。(理事長、樋口恵子)